---人間の安全保障基金について--- 外務省にてインタビュー
日 時: 2005年1月18日 11:00~12:00 目 的: 人間の安全保障基金についての情報収集(特に、前回のセミナーでの宿題に関して)
《パートナーシップセミナーでの宿題》 Q:何故、人間の安全保障基金に申請をしても採用されないのでしょうか。 人間の安全保障基金に申請ができるのは、国際機関(UNDP、ユニセフ、FAO、UNFPなど人間の安全保障に関連しているUNファミリー)に限られているという事です。(外務省国際社会協力部政策課の山田外務事務官による説明) 【会合の概略】 1. 人間の安全保障基金 1.1.設立経緯 1998年12月、小渕総理大臣(当時)がハノイでの政策演説において、1994年のUNDP(国連開発計画)の人間開発報告での「人間の安全保障」という概念を、日本の重要な外交方針として取り上げ、国連事務局(以下UN事務局)に「人間の安全保障基金」を設立する事を発表、1999年3月に約5億円を拠出し設立した。 1.2.背景 1997年からのアジア通貨危機において、既存の政策では対処できず、国家レベルよりもコミュニテイや人々に注目し、「人間の安全保障」の概念を用いて人々に直接的な受益効果のでるものを目指した。 1.3.拠出 1.3.1.拠出額 基金は日本政府からのみで、平均30億円拠出、累計で290億円で、UN事務局と日本外務省で運営。現在までに、150~160億円を国連ファミリーに支出。承認案件数は、約120件。(1件あたり一億円以上の事業であることが条件) 1.3.2.拠出対象 UNファミリーの国際機関に限定。(UNDP、ユニセフ、FAO、UNFPなど人間の安全保障と関連のある国際機関)限定理由として、国家では処理できないものへの対処のアクターとして、NGOと国際機関が挙げられるが、NGOは草の根人間の安全保障無償資金協力を用い、国際機関は、人間の安全保障基金を活用するとしている。 しかし、国際機関のもとで基金を活用する案件の実施団体としては、現地NGOや日本のNGOも、日本政府とUN事務局の審査により、実施能力があると認められた場合、参加できる。(例:日本のNGOのJOICEPが、フィリピンでのカピス州でのリプロダクティブ・ヘルス/家族計画のプロジェクトに参加。)しかし、日本のNGOの参加案件数は、非常に少なく、持続性の観点から、現地NGOを巻き込んだものが多い。 1.4.管理と審査 日本政府とUN事務局との共同管理だが、窓口はUNのOCHA(国連人道問題調整事務所)に一括。ドナー(日本)を尊重するが、UNを信頼して基金を預けたという形になる。審査は、UN事務局が行い、日本政府に問い合わせる。 なお、基金申請の情報は国連機関の現地事務所から現地日本大使館には情報提供されるが、基金と他の日本の援助リソース(例:草の根・人間の安全保障無償資金協力、JICAの草の根技術協力事業)間の効率的な利用を図るためODAタスクフォース内で情報共有をするべく訓令を打っている。 1.5.案件の実施年数 単年度で報告の提出のため、現状は複数年でも2年程度。但し、人間の安全保障に掲げられている「能力強化」には、時間を要するので、個人的にはもう少し年数が必要かと考える。