■□ 援助アラート・ワーキンググループ 目標 および アクションプラン
(付録: 第一回会合記録)
1. 目的:
① アフリカの草の根の人々に「問題をもたらしている」と考えられる日本の援助・開発計画および案件の早期発見・警報により、悪い影響が拡大するのを防ぐ。
② また、アフリカ民衆の生活にとって重要だと考えられるものの行われていない援助について、早期対応を求める。
③ アフリカのNGOが日本市民に知ってもらいたい早期警報(アラート)情報を収集し、「アラート通信」として紹介する。

2. 成果:
① アフリカNGO等とのネットワークが構築され、現場情報が入り、日本等で情報が共有される。
② アフリカ民衆の生活に悪影響を与える(与えうる)援助・開発案件(計画)が改善される。
③ 日本の援助・開発が案件形成段階で、市民に(現地を含む)開かれたものになり、アフリカ民衆にとって有害ではなく有益なものとなる。
④ アフリカ民衆の生活に不可欠な支援が迅速になされる。

3. 活動:
① ケーススタディを通じて、「問題をもたらしている」と考えられる計画や案件について理解を深めるとともに、「アフリカ民衆の生活に悪影響を与える(与えうる)」という点の基準づくりを行う。
② モデル団体(アメリカやオーストラリア)のサーベイを行い、参考とする。
③ アフリカNGOが発するアラートを中心とした「アラート通信」を発行する。
④ 日本援助問題を中心とした「アラート通信」を発行する。
⑤ ポジティブな方向へ進むよう、事例も検討する。

4. アクション・プラン:(詳細は、エクセル表)
1年目(2004―2005): 
①人体・環境に悪影響をもたらすと思われる事業のケーススタディを行い、問題とするケースの規準をつくる。
②モデル団体の活動の検討を行う。
③1年目の「アラート通信」は、現地NGOからの生の情報を報告する形を取る。
2年目(2005年-2006年):
①「問題ケース」の基準づくりと1年目を通じて確保した情報ネットワークやケーススをもとに、問題と思われる計画や案件を発掘、問題点を指摘する。
②アフリカ民衆の生活に不可欠であるが、なされていない支援を探し、背景等を調査する。
③「アラート通信」の中に、日本の援助案件も含め始める。
④ポジティブな変革を求める提言案を検討していく。
3年目(2006年-2007年):
① アラート通信」発行を中心に活動を行う。
② ポジティブな変革を求める提言案を他のWGとも連携して作成。
4年目(2007年-2008年)
① ポジティブな援助(住民の参加の実現)へ向けたロビーイングを行う。
② 「アラート通信」の総括本をつくる。

* メンバーを、アラート通信発行などを通じて募っていく。
* アフリカNGO等とのネットワークづくりの担当者を置く。
* 他のワーキング・グループ(白書や援助セミナー)やチーム(広報や翻訳)と連携を取る。
予算:
環境系の助成金申請を行う。(現地調査・協力NGO謝礼・通信発行・提言書発行など)
   例)「アフリカ援助における住民参加の現状」
アラート通信も、当面は電子媒体を中心に利用していく。
 ■□ 付録: 第一回会合記録(まとめ):

1. 「問題援助」のイメージ共有。

・ 無償で問題が多く発生している。
・ ダム案件・灌漑案件(例:住民参加不在で計画のみが進んだ。やることは悪くないが、手続きが悪い。当時は成功例であっても、年月が経って機能しなくなっている。持続性の問題が生じている。)
・ スーダンの稲作(元々稲作がなされていないところで行われ、現在誰もやっていない。地元に根付かなかった)
・ モザンビークの援助農薬の問題。これが長年、放置されているとの情報が市民に届いたのは2000年(援助関係者の間では長年知られていた)。日本と現地の市民団体で問題化し提言を行い、目録作成や処理に日本政府が積極的に取り組むようになった。現在、日本政府、モザンビーク政府、FAO、国際・現地NGOが一緒になって調査・ワークショップをおこなっている。ある意味で、成功例となった。この調査で分かったことは、環境汚染だけでなく、人体汚染が進んでいる点。ただし、問題は解決しつつある。
・ インフラ整備の支援にも多々問題が生じている。フィージビリティ調査の信用性の問題がある。一方、日本の技術者が行う調査が、先にある調査を踏まえないものであったり、社会的背景を無視したものであることが、失敗につながっているということもある。
・ ダムは国の財産となっているが、川の下で氾濫の多発、えびの収穫量の半減、土壌の悪化が言われ、集会を開くことに。ダムの経済計算の方式があり、収益率の問題や便益の計算はずさんである。収益率を上げるためにデータを改ざんしてしまう。データを作ってしまう。
・ アジアは開発調査の中で環境アセスメントはやることになっているので、余程ひどい案件は生まれない。アフリカは円借款がなくなったので・・・無償の場合、簡易で終わるので、規模が小さく考慮の足りない案件が仕組みとして生まれうる。実際にアフリカでの灌漑事業はうまく言っていないものが多い。

2. 計画段階のものに焦点を絞るか、現在進行形の案件も含めるか?
・ 最初の目標は良いが、それを不良開発といってしまうのが問題。やっているうちに変なことをやって問題になると言うことはある。事前に悪いものを把握すればよいと言うが、事前に発見することは難しい
・ 援助アラートをどの時点で捉えるべきか、分かりにくい。動いたらとめることが難しいのは確か。その前の段階で現地の人が知っているかもしれないが、その時点で現地住民が反対することは珍しい。現地の人に把握できる能力とネットワークがあるのかどうか。我々が言わないと計画が動いていることは知らないのでは。
・ 早期発見ではなく、まずは問題ありのプロジェクトをみるのはどうだろうか?
・ どのくらい早期発見すべきかについては、計画段階では難しいと思う。計画を市民段階で作れと言うことはいえる。隠されたプロセスも問題。作る段階から透明性を高めるために、市民参加を求めるべき。それを政府に重ねる証拠を示すのは。

3. 援助アラートの概念が生まれた背景
・白書以外にも何か活動できれば良いということで出てきた話。白書作りには時間がかかり、フォーラム外の人々へ短期サイクルで出すものとして、広報戦略との関係から出てきたものが「アラート通信」。最初は広報から考えたので、学生にもできるかもしれないと思ったが、難しいだろう。

4. 優先順位をどうするのか?
・ 緊急度は農薬など人体に有害な問題のほうがアラートの意味がある。
・ ただし、日本政府は二国間供与による農薬供与は止めた。ただ、バッタが西アフリカで大量発生し、農薬の利用の必要性が出ており、緊急援助として日本はFAOに資金供与し、FAOが対応することになっている。FAOの対応が遅れているとのことで、現地で批判が出ているそうだ。その意味で、「やれていないことによる問題」を指摘することも可能かもしれない。
・ 人体に危険ある領域から取り上げるのか、日本の援助が割高という問題はどうなるのか。広げると殆ど全部が入る。どこまで広げるのか。
・ 指標として「危険」(人体および環境)がどうかという点を一先ずの優先課題とするか?
・ 住民の生計手段を奪うという点ではどうか?フィリピンでは、海岸を埋め立てたために漁民の生計が成立しない問題が発生している。保障の問題になるが、そこで漁業ができないところで家をもらってもしょうがない。さっきアジアは上手くいっているといったが、そうとは言い切れない。

5. アラート通信の中身をどうするのか?アフリカNGOとの連携は?
・ 西アフリカのNGOは、人身売買を問題にしたいといった。日本が直接関わるわけではないが、緊急にアラートし対応されるべきケースもある。そういうケースは日本の援助が関わらないから、ほっておいて良いのかというのもある。
・ アフリカNGO発信情報をそのまま載せるアラート通信あるいはコーナーがあっても良いのでは?アラートと考えるかどうかの判断は、アフリカNGOに任せ、我々はそれをなるべく生の形で流す。これなら、1年目から出来る。宣伝にもなる。

6. 日本の援助に関するアラートを出す基準は?
・ 環境アセスメントは基準が分かるが、我々としての基準がないとアラートしようにもできない。
・ プロセスを踏んでいるのかと言う問題か。
・ 社会に関しては?ダムによる影響など。弱者が打撃を蒙ることは考慮し、アラートしなければいけないのでは。
・ アフリカ民衆が自らの開発の主人公になるという点を基準に考えれば?

7. ネガティブを指摘するためだけのアラートではなく、ポジティブな転換を求めて
・ 事業には、ネガティブとポジティブな側面がある。ネガティブな点については、その点についてアラートする。ポジティブは全部に及び代わりに長期的課題なので、しっかりやっていきたい。
・ 誰にとっても、他のドナーにとっても課題だ。皆で共有する問題で広いが、もちろん日本の援助に関しても強みが出ると言う課題。性質がネガティブ・リストと異なる。ネガティブの発掘とポジティブの発掘と二つの柱となるのでは。
・ ネガティブからポジティブへ行くと言うイメージ。ネガティブな側面を持って立案され、遂行されたプロジェクトは持続性が疑わしいし、費用対効果が著しく低いことが多い。そういうことを繰り返すよりも、立案の段階から透明性と参加を高めることでプロジェクトを良くしていくことを提案すべきであろう。ポジティブな変革のためのネガティブの指摘だということを肝に銘じたら?
・ となると、ポジティブ案件も指摘するべき。(グッド・プラクティス)これは、白書チームなどとも連携すべき。
・ ポジティブは啓発すると言うこと。ネガティブがアラート
・ 住んでいる人が一番分かっている。そういうことを開発プロセスの中で強められることが、目指していること。ただし、言うはやすし。制度化しなければ進まないだろう。また、問題が途中で発覚しても、これが公にならないと変わることが難しい場合が多い。徹底的に証拠をつかむと、変わるきっかけにもなる。アラートはそのように使える。

8. 指標

① 危険
② 環境破壊
③ 住民の生計を奪う
④ 住民のエンパワーメント破壊

各案件にレベル、人体、環境、エンパワーメントとして、ネガティブの星をつけていく

ネガティブチェック
  (例)人体への危険 ★
環境 ★★
エンパワーメント ★★★

9. 手法
・ むしろ計画段階とする場合はポジティブの方を中心にすることになるかも。
・ 実施前の段階ではどこが引っかかるか分からない段階では難しい。
・ 道路作るときは反対はないが、不都合がある場合になって初めて問題となる。計画段階でアラート出すのは厳しい。
・ 問題援助計画の早期発見を保留にし、プロジェクトの実施段階で言うことか。
・ 出来上がったプロジェクトの批判は難しい。事前調査段階で問題があってやめることがある。始まっているところで駄目と言うのは難しい。変えられないから。国会など問題にならない限り難しい。
・ 計画よりプロジェクトに重点。早期に発見したいという点は重要。
・ 始まる前のものを知ることは難しいので、例えば、一年目にケーススタディ集を作成。二年目にケースを調べて事前の計画発掘するルートがNGOでできるのでは。事前にある程度分かる。分かったことに対してアラートすること。
 ■□ 4. アクション・プラン:

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
10月 11月 12月 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期
目標と手法 *「問題のある」開発援助計画や案件、「されなかったことによる問題」を取り上げ、告知し、改善を促す。
→①ケーススタディを通じての事例把握・基準づくり
 ②モデル団体調査を通じての基準や手法の検討
 ③アフリカNGOアラート通信を通じての現地情報掬い上げと協力関係構築、
 ④援助アラート通信を通じての、告知
⇔アラートを多発するための活動ではなく、アラート活動を通じて「未然に防ぐことの重要性」が援助機関に認識されることを目指す=計画段階からの住民の参加や透明性の確保、ガイドラインの充実を促す
*ネガティブチェックだけでなく、ポジティブなものを増やしていく。
望ましい援助が何かということを考え、示す必要あり。
この部分は、白書WGや援助セミナーWGと連携しつつ、方向性を形成していく。
無償(例:草の根)のレビューやどういう風に変えることが改善につながるのか提言していく。
アクション ターゲット 情報・ネットワーク構築・財源確保(環境系の助成金をあたる) 1年目を通じて確保した情報ネットワークや基準をもとに、問題と思われる案件を発掘し、アラート通信を発行していく。 アラート通信の運営 ポジティブリストを作成し、改善を促す
具体的行動 テスト版披露 テスト版を使って、関係者に協力を呼びかける。 アフリカNGOアラート通信第一号には、援助アラートWGの趣旨・計画を入れ、協力を呼びかける
研究 ケーススタディー(人体・環境に深刻な影響をもたらしている事件に対する「不作為」や援助案件) 4年目(2007年-2008年)ポジティブな援助(住民の参加の実現)へ向けた提言活動を行う
調査 モデル団体の調査(アラートやウォッチの基準作りに役立てる):オーストラリアのAIDWatchの例:設立経緯・目的・基準(自助努力を促す;企業などが出したお金が本当に必要とした人に届いているか;融資資金透明性;)←少し路線が違うかも。アメリカの団体を要チェック
アラート通信 アフリカNGOアラート通信 アフリカNGOアラート通信を発行(趣旨:アフリカ側の発信したい情報をまとめ発信する。
日本援助案件調査協力のための関係構築に寄与する)
テスト版(油田にかかわる汚職:ナイジェリア;西アフリカの児童労働・人身売買問題;HIVエイズ:)*アフリカNGOから見た「問題」を広く日本市民と共有。アラートかどうかは、彼等が判断。日本援助に限定せず。情報の真偽が不確かな場合は、コメントをつけて出す。
日本援助に関するアラート通信 日本援助に関するアラート通信テスト号 日本援助に関するアラート通信第1号発行:半年に一回発行(3年目には、四半期に一回発行したい) 日本援助に関するアラート通信第2号発行 アラート通信第3号発行 アラート通信第4号 アラート通信第5号 アラート通信第6号 アラート通信第7号 アラート通信第8号 アラート通信第9号
望ましい援助の方向性について調査研究して原案づくりをし、他のWGとも協力していく。

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