■□ 政策提言
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2008年6月2日
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■■ ――第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を終えて―― ■■
TICAD IVを評価する
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(特活) TICAD市民社会フォーラム
代表 大林稔 |
5月30日、横浜で3日間にわたって開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が幕を閉じました。
私たちTICAD市民社会フォーラム(TCSF)は、2004年の設立以来、TICADプロセスへのアフリカと日本の市民社会の参画を求め、さまざまな活動をしてきました。
その活動がTICADに何をもたらしたのか、TCSFはTICAD IVをどう評価するのか、TCSFの執行部からの提案を掲載します。
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■ TICAD IVの評価 ■ 「対アフリカODA倍増を評価、しかし課題も」 |
TICAD IVにおいて、福田首相が対アフリカODAを今後5年間で倍増すると約束したことを評価したい。
この約束が遵守されれば、日本の対アフリカODA額は1997年以降の長い低迷を脱し、歴史的な高水準に達するだろう。また、債務削減を含まない「真水」の増額が約束されたのも画期的だ。
もちろん、アフリカの貧困者の期待に十分応えたとはいえない。まず、この約束がODA全体の増額につながるのか定かでない。日本は対GNI比0.7%の国際公約の日程を一日も早く明らかにすべきだ。
また、新規分の援助は、円借款を多く含み、しかもインフラストラクチャーを主な使途としている。アフリカのガバナンスや援助の吸収能力を考慮すると、その実効性には疑問が残る。過去の対アフリカ円借款の大半が返済されず、債権放棄が今も続けられていることがそれを示している。円借款を人びとの役に立て、効率的に活用するよう求めねばならない。
会議における市民参加の前進、および福田演説、会場での議論や最終文書に、市民の声が反映されたことは、かつてない成果だ。本会議はネット中継を通じてアフリカにも公開された。アフリカNGOの存在がクローズアップされ、アフリカと日本の市民社会の連帯が、具体的な形となって表れた。
TICAD IV 2日目午後は、主として市民社会ゲストのスピーチに当てられ、アフリカ開発における市民社会の重要性がクローズアップされた。ワンガリ・マータイ氏、ボノ氏、ジェフリー・サックス氏、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などが登壇し、最後にアフリカ市民委員会(C-CfA)のギュスターブ・アサー氏が市民社会セッションの総括スピーチを行った。そして、議長サマリーはこれまでになく市民社会に配慮したものとなった。
しかし、TICADは国家と国際機関のフォーラムという基本的性格を変えることはなかった。また議論の中で経済成長が過大に重視されたことは残念だ。もっとも重要であるべき人びとの暮らし、それを支える民主主義と参加が、むしろ二義的に扱われた。
またアフリカと日本との関係は経済と外交に限られ、国民同士の相互理解と連帯についてはほとんど語られなかった。行動計画のパートナーシップは、市民社会にはわずかしか開かれていない。フォローアップ・メカニズムへの市民社会のアクセスはTICAD相談窓口に限られた。
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■ 日本の世論の高まり ■ 「世論が政府を動かした」
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市民社会は確かに巨象を動かしたが、巨象は大きく方向転換することはなかった。他方、会場外ではアフリカブームと呼べるほどの報道がなされた。そしてその論調は、会議場での議論よりもはるかにアフリカ民衆に近いものだった。
貧困との闘い、社会開発の重要性、農民への支援、民主化、そしてNGOの重要性が広範に論じられた。
アフリカブームは、ホワイトバンド以来上昇を続けてきた日本国民のアフリカへの関心を土台にしている。TICAD関連の報道を通じて、より深い共感と理解が広がった。
アフリカは近くなり、等身大のアフリカを理解し、彼らの喜びを感じ、直面する問題の重要性を理解し、コミュニケートしたいという要求が高まった。
メディアのアフリカブームも、福田首相のプレッジも、市民の共感の高揚がなければありえなかっただろう。この共感と理解が、ブームが去った後も持続するならば、これを抜きに今後のアフリカ政策を考えることはできないだろう。
■ TCSFの成果 ■ 「世論を盛り上げ、アフリカ市民社会を主役に据えた」
これまで述べたTICAD IVの成果に対して、TCSFは大きな貢献をした。
日本政府のプレッジ、そして最終文書には、TCSFの長年の主張が反映されている。アフリカ市民社会が重要なアクターとして認められるにあたって、「アフリカ政策市民白書」や「アフリカ・アラート通信」をはじめとしたTCSFの調査研究、そして幅広いアドボカシー、ロビーイングは大きな役割を果たした。
アフリカ市民委員会(C-CfA)の本会議での演説や報道への登場は、アフリカ市民社会の存在を、強く印象付けた。また「TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)」は、TICAD
IVへのアドボカシーの大きな力となった。そしてTCSFは、この双方の誕生と発展に大きく寄与した。
日本国民の理解と共感の高まりは、もちろんTCSFだけで成し遂げたものではない。しかし、TCSFはそれを誘発し、加速した。「アフリカ・2008キャンペーン」はさまざまなイベントを通して、日本の人びとのアフリカへの関心を喚起し、さらに多様で幅広いイベントの渦を巻き起こした。
また粘り強いパブリシティ活動は、報道に的確な情報を与え、「アフリカブーム」に方向性を与えた。セミナーやワークショップを通じて、根気強く働きかけた結果、開発における市民社会の役割が認識されるようになったことも重要だ。
今後は、アフリカへの関心の広がりに応じた新しい展望が必要とされるだろう。
TICAD IVで得た成果を、どう発展させていくのか、不十分な点をどう克服していくのかが、市民社会全体の大きな課題だ。
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