■□ 政策提言 2008年1月30日 森 元総理への要望書 日本政府代表 森 喜朗 様 エチオピアの市民社会は、日本の政府と人々によるエチオピアに対する多大なる貢献に深く感謝いたします。資金や機材などの支援に加え、日本の人々が示す連帯と精神的支えが「人と人」との関係の基礎であり、私たちにとって、困難を乗り越えるためのおおきな励みとなっていることをお伝えいたします。 エチオピアで市民社会、特に非政府組織(NGO)は、開発と救援分野において重要な役割を担ってきました。現在、エチオピア国内には三千を超える市民社会組織が存在し、草の根の人々の暮らしの改善への努力を支援しています。また、政府との対話では、透明性と信頼性を伴う、貧困層を重視した政策の実現を推進しています。 去る1月22日に開催された「エチオピア・日本パートナーシップ・セミナー 」に、エチオピア市民社会から参加した私たちは、エチオピアの開発における日本の政府開発援助と市民社会の役割について、以下の課題を話し合いました。 1. 成長の加速化 2. ミレニアム開発目標(MDGs) 3. 平和の定着と民主化 4. 環境問題・気候変動問題 話し合いの成果は「エチオピアと日本の市民社会の声」として、別添のとおりまとめられています。 この話し合いの中で、私たちは以下に掲げる事項の改善により、アフリカ、特にエチオピアにおける日本の政府開発援助が、草の根の人々にとってより効果の高いものになるという考えを共有しました。 1. 人々を中心にした貧困削減のための事業を重視する。 2. 援助事業を、草の根の人々の多様なニーズに対応できる柔軟なものとする。 3. TICADフォローアップ・メカニズムにより、アフリカと日本の市民社会を含むすべての関係者の援助プロセスへの 参加と予算の監視および社会的説明責任を確保する。 4. 市民社会を正式な開発のパートナーとして認識し、その能力強化を通じて、草の根の人々に対する援助の効果を 高める。 5. 国際社会に対するリーダーシップを発揮し、貧困削減とMDG実現のための援助の増額を働きかける。 以上 「エチオピア・日本パートナーシップ・セミナー」に参加した市民社会を代表して セミラ・アルハディ CRDA代表代理 (「エチオピア・日本パートナーシップ・セミナー 」の脚注) Christian Relief and Development Association(CRDA)、TICAD市民社会フォーラム(TCSF)、在エチオピア日本大使館、JICAエチオピア事務所 共催 【要望書 日本語訳】 TICAD IVに向けたエチオピアと日本の市民社会の声 2008年1月 はじめに 1月22日に開催された「エチオピア・日本パートナーシップセミナー」には、エチオピアと日本のNGOおよび日本大使館、JICA関係者が参加し、特に草の根の人々への影響を念頭に、エチオピアの開発における日本の政府開発援助と市民社会の役割を話し合った。話し合いの成果を元に、エチオピアと日本の市民社会からの参加者は、日本の政府開発援助を真に草の根の人々に役立つものとするために、以下の事項を日本政府に提言する。 1. 成長の加速化 政府と市民社会の対話への支援 日本の開発援助事業とエチオピアの市民社会のより強い連携のための仕組みの設置 現地の状況に合わせた、政府開発援助事業の柔軟性の確保(特に人間の安全保障草の根無償資金制度の 事業期間、支援限度額、物価等の状況の変化への対応、手続き) 市民社会組織に対する技術協力 政府開発援助事業における市民社会組織の活用 2. 人間の安全保障 ミレニアム開発目標は草の根の人々の課題であることへの認識 政府機関と市民社会組織の能力強化のための資金と技術の協力、インフラの整備、人材の派遣 地域社会のニーズと関心に沿った事業の実施。人々の依存性ではなく連帯と提携を促進する無償援助の実施 ドナーによる認可前の現場訪問や中間のモニタリング、遠隔地事業への支援、周縁化グループへの対応、 資金の一括支給などの実施と継続 支援事業のミレニアム開発目標への集中化 官僚主義と汚職の無い、民主的政府に向けた支援 3. 環境の荒廃と気候変動 環境と地域社会の課題に同時に対処する総合集水域管理のための技術と資金支援 草の根レベルの地域社会と政府機関の能力強化 国際社会における環境問題とその解決への認識強化 エチオピア政府による環境条例の制定等への支援 援助機関同士およびエチオピアの市民社会組織との連携強化
2008年1月30日