| A :答え |
| Q1 ライブ8が日本でも開かれるなど、最近アフリカ支援の気運が高まっていますが、どうしてですか? |
A :アフリカの人々の暮らしが、ますます苦しくなっているからです。
2000年の数字では、アフリカの人々は20年前よりも貧乏になっています。こうした地域はほかにありません。また、平均余命が40歳未満の国29カ国のうち28カ国がアフリカにあり、さらに30歳に達しない国3カ国はすべてアフリカの国でした。このままでは,アフリカの貧困者の割合は、2015年には
1999年より28%増加すると予想されています。
2000年に世界の指導者たちが約束したミレニアム開発目標(MDGs)の達成は、こうした状況にあるアフリカでは困難と見られています。今年9月に、ミレニアム開発目標の中間評価サミットが開かれることも、アフリカ支援の国際的な世論を押し上げています。
** ミレニアム開発目標(MDGs)
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ミレニアム開発目標(MDGs)とは、21世紀の始めにあたって、これまでの国際社会のさまざまな目標を統合し、貧困のない世界を作るために、2015年を期限として世界の総力を結集して、8つの具体的目標を達成しようという野心的な計画です。
8つの目標とは、貧困者の割合を半減するすべての子どもが初等教育の全課程を修了できるようにする、HIV/エイズの蔓延を阻止するなど人々の幸せに最低限必要なものばかりです。
ミレニアム開発目標(MDGs)は、2000年9月の国連ミレニアム総会で採択されたもので、この採択には日本政府も加わっています。
http://www.undp.or.jp/Publications/MDGs.pdf
http://www.hottokenai.jp/message/index.html
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| Q2 日本は援助大国だと聞きますが、貧困者支援でも主役なのでしょうか? |
A :残念ながら、日本の開発途上国の支援、特に貧困者向けの援助への取り組みはまだ十分とはいえません。
日本は経済規模からみると、ODA負担率(国民総所得-GNI-に対する割合)が先進援助国22カ国中19番目で、0.2%です。これは第1位のノルウエーの5分の1強です。
困難を抱えている後発開発途上国向けに、ODAを多く配分する国ほど貧困問題に熱心だといえますが、多い順に先進援助国をランキングすると、日本は22
カ国中20番目になります。ただし、これは日本の主な援助対象だった東アジアの国々の所得が上ったのも一因で、貧困対策の面では、アジアからアフリカへと重点を移す時期に来ているといえるでしょう。
先進国は、1970年代半ばにすでにODAを国民総所得の0.7%に増加させると公約しています。現在、日本とアメリカの二カ国が、依然としてこの公約達成の具体的な日付を明らかにしていません。また、この二ヶ国中、2000〜2003年にアメリカはODAを63%増やしていますが、日本は44%減少させています。
わたしたちは日本政府に、GNI比0.7%達成の具体的な日程を明らかに示すよう求めています
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Q3 アフリカの問題は、西欧の植民地支配に責任があると聞きました。
なぜ日本がアフリカを支援する必要があるのですか? |
A :わたしたちは、過去の問題とは無関係に、日本はアフリカを支援すべきだと考えています。
ODAは本来人道的な目的以外に利用することは認められていません。もっとも困難な状況で貧困と闘っている人々がアフリカに多いのですからODAをアフリカに振り向けるのは当然の事だと思います。
また、アフリカ民衆が直面している困難な状況に日本は無関係ではありません。
今日のアフリカの問題は、植民地支配だけではなく独立後の政治経済にも原因があります。アフリカ諸国の独立後、日本は西欧諸国と一緒に多くの独裁政権に援助を続け、また鉱物資源を買い続けました。アパルトヘイト体制の下にあった南アフリカとの貿易が、世界最大規模になって国際社会から非難を受けたこともあります。
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| Q4 人道的な目的からアフリカ支援が必要だといいますが、ODAは国益のためのものではないのですか? |
A :ODAの定義を定めたのは、日本も加わった国際フォーラム「開発援助委員会」です。
それによるとODAとは、開発途上国の経済開発や福祉の向上に寄与することを主目的としていなければならず,先進国の国益を目的とした援助(例えば、国連安全保障理事会 常任理事国の地位獲得のため)は、ODAには分類できません。援助が外交の道具に使われることはよくあることですが、人道的な目的から逸脱してはなりません。
外交の道具としての援助が必要であれば、人道的な援助とは区別して実施すべきだとの考え方もあります。異なった目的別に援助を管理運営することによって、いずれの援助も現在より効率的・合理的に運営できるようになるからです。
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| Q5 小泉首相はアフリカ援助倍増を公約したと聞きましたが? |
A :今年4月のアジア・アフリカ首脳会議(バンドン)におけるスピーチで、小泉首相は「今後3年間でアフリカ援助を倍増」すると述べています。
わたしたちは、政府がアフリカに目を向けたことを高く評価します。そして一時的な援助増に留まらず、本格的にアフリカ支援に取り組むビジョンを、アフリカと日本の市民社会と相談しながら作ることを要望します。
ただし、アフリカ援助を倍増してもまだ過去最高の水準には戻りません。 2003年の実績を基礎にすると,倍増により1996年水準を回復することになりますが、過去最高だった1995年にはまだ届きません。2003年の実績は、1995年の40%以下に縮小しているからです。
また、アフリカ援助が日本の二国間ODAに占める割合は8.8%(2003年)です。3年後にはODA全体がやや増加すると考えられるので、アフリカの割合は15%程度まで上昇するでしょう。これは1989年の割合(15.3%)に戻るということです。私たちはアフリカ援助の割合を二国間ODAの35%まで引き上げることを求めていますが、小泉首相の公約が実現しても、この目標の半分に満たないでしょう。
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| Q6 G8財務相会合で最貧国の債務を 100%削減したとのことですが、どのような内容ですか? |
A :まず、最貧国の債務すべての削減が合意されたわけではありません。
もっとも貧しく、また到底支払えない債務を負っている国(重債務貧困国)のうち、経済の再建計画を忠実に実行している国18カ国(うち14カ国がアフリカ)に限って、債務が削減されることになりました。
さらに今後同様の努力が認められた国(最大20カ国)については、債務の100%削減を行うことも同意されました。
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| Q7 債務を棒引きにすると、まじめに返す意欲がなくなるのではないですか? |
A :再建計画を前提にして債務を減らしたり、棒引きすることは、日本国内でも会社や銀行の再建の際に行われています。無理に返済を迫っても、会社は破産して返済が得られないだけでなく、失業者が増え、景気にも悪い影響が出るからです。借り手が国の場合、破産はしませんが、貿易や外国投資が難しくなり、国民が国際経済からはじき出されて一層貧しくなってしまいます。
アフリカの国々の再建計画は「貧困削減戦略」と呼ばれています。その内容は、貧困者支援を最優先にすること、マクロ経済を安定し、政府がよい仕事をし民主主義を強めることなどです。そして、アフリカの国民と援助国がその実施を監視することが条件とされています。債務削減によって浮いた財政資金も、貧困者の支援に使うことが義務づけられています。
かつてIMF(国際通貨基金)の高官は、「債務返済が滞った場合は、常に「悪い借り手」と「悪い貸し手」がいる」と述べました。この場合、「悪い借り手」とは開発途上国の政府です。債務を効果的に利用して税収を増加させられなかったからです。他方「悪い貸し手」とは、回収の見込みを誤って貸し付けた援助国政府(日本政府を含む)です。
そして被害者は先進国の納税者、つまりわたしたちと、発展途上国の民衆です。開発途上国の人々は、政府が無駄遣いした借金を返済し続け、さらに財政再建のために社会サービス低下の犠牲となったのです。こうした過ちを避けるためには、市民の政府に対する監視を、アフリカでも日本でも強めることが大事です。 |
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| Q8 今年のG8サミットの焦点は何ですか? |
A :G8サミットの中心議題は、「アフリカ開発」と「気候変動」です。アフリカ開発で最も注目されるのは、日本が本格的なアフリカ支援に踏み切るかどうかです。
ヨーロッパ諸国は、すでにアフリカ支援の拡大を確約しており、アメリカも2000年から3年間でアフリカ援助を4倍以上に増加させています。
一方、日本は、95年には世界のODAの4分の1を占めた援助大国でしたが、2003年にはシェアを半分に縮小しています。さらに援助におけるアフリカの比重は、15%(1995)から8.8%(2003)に低下しています。日本は経済規模が大きいので、日本が経済力に見合った水準までアフリカ援助を増やすことが必要なのです。
そのために,私たちは日本政府にODAの対GNI比0.7%達成への日程を公約すること、そしてアフリカ援助を35%に増加することを求めています。
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Q9 援助を増やしても,援助依存になるばかりでかえって自立をジャマしないでしょうか?
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A :確かに、かつてアフリカの独裁者たちは、援助依存の国家をつくりだしました。しかし、アフリカは変わりつつあります。大半の国では民主主義が復活しています。アフリカ政府が財政難に苦しんでいるため、普通の人々が自分たちで助け合う組織をつくってがんばっています。また政府も、財政の再建や、少ない予算の中で貧困と闘うための資金配分を増やすなどの努力をしています。
しかし、アフリカはさまざまなハンディキャップに苦しめられています。例えば、アフリカ人の13人に一人がHIV・エイズの感染者です。またマラリアによる死亡の90%がアフリカで発生しています。日本が同じ状況に陥ったらどうでしょうか。アフリカは「長引いた緊急事態」にあり、アフリカの人たちの力だけで自立に向かうのは難しいと考えられています。債務の100%削減という歴史的な措置が取られたのもそのためです。
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| Q10 アフリカが貧困から脱出するには、何が必要ですか? |
A :(1) 資金供給、(2) 公正な国際秩序、(3) 市民社会と政府の強化・連携の三つが必要です。
(1)
貧困から脱出するには、資金が必要です。
東アジアでは外国投資が主な資金を提供しました。外国投資が当面期待できないアフリカでは、援助がこれに代わって資金を供給し、投資が活発になる環境を作る必要があります。国連の報告書では、アフリカへの援助総額を倍にする必要があると勧告しています。
(2)
アフリカが自らの生産活動で発展することを保障しなければなりません。
アフリカの農民は低価格で生産しているにもかかわらず、先進国の関税や保護的な補助金、輸送や商業上の困難、新しい技術がえられないことなどから、国際競争の中で不利な立場に置かれています。彼らの努力が報われるように、先進国の譲歩と、アフリカのハンディキャップを埋める国際的な協力が必要です。
(3)
アフリカ政府の能力を高めるとともに、市民社会の強化が必要です。
債務削減と援助が貧困削減に正しく使用され、働く人々の汗が発展に結びつくために、市民社会に資金と技術を提供しなければなりません。市民社会が強くなり、政策の決定や管理に参加することが、政府が人々のために働くことの条件だからです。また市民の生活を知る市民社会は、社会サービスの提供者としても有能であり、増加した援助が有効に使われる鍵は市民社会にあります。
そのためにわたしたちは、日本のODAの40%を市民社会経由で活用すべきだと求めています。また、わたしたちはアフリカの市民社会を支援するだけでなく、彼らの力を借りて、アフリカ民衆のためのアフリカ政策が実現されるよう努力しています。
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■ 市民社会から、アフリカ支援のための訴え!
2005年4月21日、TICAD市民社会フォーラム(TCSF)と、アフリカ日本協議会(AJF)は、共同で声明を発表しました。
声明文: 「 苦悩するアフリカから、豊かさと可能性のアフリカへ〜
日本は今こそ、新たな方法論でアフリカ援助を本格化すべき〜 」
声明文は、こちら。 全文ダウンロード 日本語版(pdf) Joint Statement (pdf)
たくさん方のご理解とご協力をお待ちしています。 |