Viva ! Africa  【 TICAD市民社会フォーラム メールマガジン 】

► 号外039 TICAD IV/洞爺湖サミットへの提言    2008.3.7発行
■■☆☆■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
TCSFメールマガジン 号外 TICAD IV/洞爺湖サミットへの提言 2008.3.7

Viva! Africa -People's network across continents
ビバ アフリカ!- 大陸を越えた市民のネットワーク

発行:(特活)TICAD市民社会フォーラム(TCSF) http://www.ticad-csf.net/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■☆☆■■

皆さま、こんにちは。いつもご支援ありがとうございます。

TCSFメールマガジン号外 【第四回アフリカ開発会議(TICAD IV)および 洞爺湖
サミットに向けた提言】を送らせていただきます。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 第四回アフリカ開発会議(TICADIV)および 洞爺湖サミットに向けた提言
 ~「人びと主導型」アプローチによる気候変動と資源開発への対応~  ■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2008年2月21日、早稲田大学アフリカ研究所主催シニアレベル国際会議「気候
変動と資源希少化時代における日本のアフリカ政策~アフリカの人びとの主導
による持続可能な開発を目指して~」が早稲田大学で開催されました。

TCSFは、この会議をUNDPと共催するとともに、事務局を務めました。

本会議で、参加者は、活発で有益な議論の後に、共通の認識と提言にいたり、
TICAD IVおよび洞爺湖サミットに向けた提言つくりました。

**なお、本国際会議の模様は、当日23時15分のNHKニュースでも報道されて
います。議事抄録は近日中にウェブサイトに掲載する予定です。


==============================================================
1. アフリカの挑戦
==============================================================

気候変動と資源希少化の時代を迎え、アフリカの人びとは今日明日の生存をどう
するかという状況下で暮らしています。

アフリカでは、気候変動への適応力が弱く、大多数を占める貧困者は大きな困
難に直面しています。なぜなら、繰り返し洪水や干ばつが起こり、食料の生産が
落ち込みつつあるからです。そして、これに対応する政府の能力もアフリカでは
弱いのが現状です。

さらに、石油やレアメタルといった資源価格の高騰は、アフリカの資源国ではマ
クロレベルでの経済成長をもたらしているものの、社会内部に目を移してみると、
格差や不平等は悪化し、社会的対立や不安を招いています。実際、これらの国
の貧困者の割合は減少していません。

このような石油やレアメタル産出国でなくとも、木材や食料、その他の一次産品
の価格も高騰しており、アフリカ各国に大きな影響を与えています。本来は一次
産品生産に依存する多くのアフリカの人びとにとって、この状況は好機のはずで
す。
しかし、異常気象による生産の落ち込み、環境劣化、そして大企業との土地や
水資源の奪い合いという状況が生まれ、アフリカの貧困者はこの好機を活かす
どころか、マイナスの影響を受けています。

中でも最も犠牲を強いられているのが女性です。なぜなら、女性は家庭の中で、
どんな状況にあっても、家族に食料・水・燃料をもたらす責任を担わされているか
らです。

アフリカの貧困者にとって、生存が主たる関心事となっています。
まず今日生き残ることが優先されているのです。
本会議では、それを念頭において議論しなければならないことがはっきりしまし
た。
この人びとの生活を向上させることこそが、いかなる気候変動の適応においても、
資源価格の高騰を利用した経済成長においても、不可欠であるということです。

アフリカの人びとが直面する挑戦は真に大きいものの、世界的な支援の気運は
生じつつあります。中でも、第四回アフリカ開発会議(TICAD IV)と洞爺湖サミット
を開催する日本政府が果たしうる役割は、大きなものとなっています。

気候変動や資源価格高騰のネガティブな影響を反転させ、アフリカの人びとの
暮らしを豊かにするには、今こそ重要な時期となっています。


==============================================================
2. 提言
==============================================================

会議の参加者はTICAD IVと洞爺湖サミットに向けて、日本政府が次の諸点を
考慮に入れるよう呼びかけます。

I. -------------------------------
気候変動の問題は最大の「市場の失敗」であり、市場ではなく人知によってしか
解決することができません。人類の生存には、気候変動への対応を開発におい
て主流化し、さらにそれを超えて、低炭素社会への根本的転換が必要です。

そのためにはG8諸国が過去に採用した経済モデルは根本的に転換されねばな
りません。

アフリカも、気候変動と闘いながら、持続可能な新しい発展モデルを見つけなけ
ればなりません。そのためには、国境を超えた議論を組織し、経験を共有し、新
しい知恵を見つける努力が必要です。

そこで、市民社会の協力を得て、日本政府が次のことに取り組むよう求めます。

1.気候変動への適応と資源管理のため、アフリカ自身が持つ草の根レベルの
成功体験を集め、かれらが国境を超えてグッド・プラクティスを共有し合えるシ
ステムの構築を支援すること。

2.集めたグッド・プラクティスの情報を踏まえて、アフリカの人びとが行う新たな
 チャレンジを支援すること。

II. -------------------------------
アフリカにおける気候変動への適応・予防の努力は、マクロ的か・ミクロ的かを
問わず、「人びと主導型(People Driven)」のアプローチを取らなければ効果をあ
げることができません。

これは、経済成長を通じた貧困削減においても同じことが言えます。

III. -------------------------------
気候変動とのアフリカの人びとの闘いを支援するのは、工業諸国の責任です。
日本を含む工業諸国こそが多大な量の二酸化炭素を排出してきたにもかかわら
ず、温暖化の最大の被害者は、最低限の二酸化炭素しか排出していないアフリ
カの貧困者だからです。

したがって気候変動対策は、すでに約束済みの開発援助資金ではなく、追加的
資金でまかなわれるべきです。

IV --------------------------------
本会議の参加者は、気候変動に取り組むためのさまざまな基金が設立され、あ
るいは設立が決定されていることを歓迎します。

同時に、これらの資金間の協調と効率化、そして人びと、特に女性のアクセスが
大幅に改善されることを強く求めます。

そのためには、いずれの基金も運営に市民社会の参加が不可欠です。

V ---------------------------------
地球の温暖化を遅らせるには、世界に最後に残されたアフリカの熱帯雨林を守
ることが最も重要な事柄の一つです。また熱帯雨林は、再生不可能な貴重な資
源でもあります。

これまで、国際社会は熱帯雨林を保全することに失敗してきましたが、熱帯林
保全のための資金メカニズムの必要性について、ようやく国際的な合意が得ら
れつつあります。
しかし、森林に直接依存し、また森林を守れるのは住民であり、資金メカニズム
はかれらの保全努力が報われる仕組みを採用する必要があります。

VI. ---------------------------------
熱帯雨林以外の森林保全・再生も、同様に住民の利益と力、決定に依存した
制度をとるべきです。

さらに、かれらに薪炭に代わる持続可能なエネルギーへのアクセスを保障する
ことも必要です。

VII. ---------------------------------
アフリカが「資源の呪い」から脱出するには、民主主義とガバナンスを改善し、資
源がもたらす富が公正かつ生産的に投資されなければなりません。
「資源の呪い」とは、天然資源に恵まれた国は、経済発展が遅れる傾向にある
ことを指す言葉です。

資源価格高騰下にあって、アフリカでの資源開発が活発化しています。これを貧
困削減とバランスの取れた発展への機会とするには、すでに幾つかの国で試み
られているような、市民社会など多様なステークホルダーが参加する資源収入
管理のメカニズムを強化し、普及させるべきです。

VIII. --------------------------------
バイオ燃料作物のアフリカでの栽培は慎重に、かつ小農の利益を優先してなさ
れるべきです。アフリカでは、すでにバイオ燃料作物栽培が食料生産との競合
や、農民を犠牲にした大規模開発、森林破壊を招いているからです。

こうしたことを避けるために国際的なバイオ燃料認証制度を一刻も早く確立する
べきです。またバイオ燃料作物の生産についてのガイドラインづくりを行い、認証
制度を導入するための支援をアフリカに対して行うことを求めます。

IX -----------------------------------
気候変動との闘いに民間資金の役割は不可欠です。しかし現在のクリーン開発
メカニズム(CDM)制度は工業化が後れているアフリカには役立ちません。

森林破壊および森林劣化に起因する二酸化炭素排出の削減(REDD)、すなわち
吸収源である森林の保全努力を資金化できるメカニズムの議論が始まっていま
すが、地元コミュニティや生物多様性に配慮した形で、メカニズムをデザイン・実
施することが求められます。

X ------------------------------------
水への平等なアクセスと、すべてのステークホルダーが水の利用に平等に参加
することが求められています。

水は人びとにとっても国家にとっても、戦略的に重要な資源です。水の利用量は
アフリカでも増大しつつあり、参加型の管理は紛争予防にも必要とされています。

XI. -----------------------------------
中国のアフリカにおける活発な活動を、環境とガバナンスに有益なものとするに
は、その活動を国際的な枠組みに取り込む努力をする一方、アフリカが企業活動
のガイドラインをつくり、企業がこれを尊重するよう国際社会が協力することです。

また中国内部で企業の活動が適切にコントロールできるよう、国際的な支援が
求められています。

XII. -----------------------------------
気候変動への適応策と資源管理のため、また上記 I や VII の支援を主たる目的
にした「アフリカ・日本パートナーシップ基金」を創設することを提案します。


==============================================================
3.最後に
==============================================================

本会議の参加者が合意した最も重要な点は、「人びと主導型」アプローチの重要
性とすべてのステークホルダーの参加の必要性です。本会議の提言は、すべて
人びと主導型アプローチによってのみ実現できるものです。

住民とりわけ貧困者は、気候変動がもたらす異常気象の主要な犠牲者であると
同時に、その予防・適応の経験の宝庫でもあります。いかなる努力も、かれらの
利益を第一に考慮し、またかれらの知恵に依存しないならば、成果をあげること
はできないでしょう。また住民が力を発揮するには、政府、企業、市民社会組織
そしてドナーが持てる力を全面的に動員しなければなりません。

また、バイオ燃料を含む資源開発の急進展は、住民とりわけ貧困者の利益を優
先したものとなるべきです。資源開発はアフリカに経済成長をもたらしていますが、
一部のものの利益が優先されるなら、ガバナンスを悪化させ、政治を不安定化さ
せ、環境を破壊し、持続可能な真の経済発展をもたらすことはできないでしょう。

国連ミレニアム開発目標(MDGs)と気候変動・資源開発への対応は、不可分に
結びついています。本会議の参加者はこれらの問題について、TICAD IVと洞爺
湖サミットで、日本政府が強いリーダーシップを発揮することを期待します。

この提言は、気候変動と資源開発の最前線で活躍し、あるいは政策決定にかか
わる人びとが、日本、アフリカそして欧州から集まり、その英知を結集したものです。

参加者は、この提言により日本のリーダーシップが一層強められることを願って
います。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■発行元■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
特定非営利活動法人 TICAD市民社会フォーラム(TCSF)

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-21-1
早大西早稲田ビル7F プロジェクト室613-6号室
早稲田大学 アジア太平洋研究センター気付
電話&ファクス:03-5286-8261
E-mail:office@ticad-csf.net ホームページ:http://www.ticad-csf.net/

発行責任者:大林 稔
編集責任者:渡瀬のり子 編集:広報チーム

TCSFメールマガジン バックナンバーは、TCSFサイトからご覧ください。
---> http://www.ticad-csf.net/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▲発行システム:『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
▲登録および解除 : http://www.mag2.com/m/0000148244.html
  本メールは等幅フォントでの表示に最適化されています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C):TICAD Civil Society Forum Japan

Copyright (C) 2006 by TICAD Civil Society Forum All Rights Reserved.