『アフリカ・アラート通信 』
 ■□ 『アフリカ・アラート通信 (第4号)』   ~ ダイジェスト版 ~

       ►  2006年5月発行 『アフリカ・アラート通信 (第4号)』 全文(PDF)

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【アフリカ・アラート通信について】
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アフリカ・アラート通信は年におよそ4回発行され、皆様にアフリカの市民社会に関する情報を中心としたアフリカの「生きた」情報をお届けしています。
【アフリカ・アラート通信 第4号】の全文(16頁)は、TCSFホームページに
掲載しています。ぜひ、全文をご覧ください。---> http://www.ticad-csf.net

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【1.アフリカ・アラート】 ・・・1.「TICAD平和の定着会議」参加報告
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 2006年2月発行のアフリカ・アラート通信号外でも速報した「TICAD平和の定着会議」について、TCSFから参加した石田洋子(TCSF副代表)と白鳥清志(TCSF理事)両氏による参加報告をご紹介する。

TICAD平和の定着会議(於:アジスアベバ)に参加して
 2006年2月16、17日にエチオピアで開催された「TICAD平和の定着会議」に、オブザーバー参加した。

 同会議は、アジアおよびアフリカにおける平和の定着の経験を共有する有意義な場所となったが、残念ながらTICADプロセスを通して、日本が、アフリカ諸国とどのように協働していくのか、あるいは市民社会の参加をどのように進めるのかについて、具体的な提言は示されなかった。

以下に、会議の概要を紹介する。

「TICAD平和の定着会議」は日本政府が主催し、エチオピアの首都アジスアベバで開催された。アフリカを中心に73ヶ国、38国際・地域機関、20市民団体(NGO)の約400名が参加した(議長サマリーより)。

NGOには、オブザーバー参加(自費参加)が認められ、TCSFからは2名(白鳥、石田)が参加した。日本NGOは、TCSFのほか、(特活)ワールド・ビジョン・ジャパンと(特活)難民を助ける会が参加した。

 TCSFは、日本のNGOの平和の定着についてのメッセージを伝えるため、「TCSFからのメッセージ」、「日本の市民社会からのメッセージ」、そして「アフリカにおける平和の定着に関する基礎調査」等の資料を準備し、会場で出席者に配布した(これらの資料は、TCSFホームページから入手可能)。

 「平和の定着会議」では、初めに議長を務める塩崎恭久副大臣が開会の挨拶をした。塩崎副大臣は、「平和の定着」が、「人間中心の開発」、「経済成長を通した貧困削減」と共にTICADプロセスを通した日本の対アフリカ政策の3本柱の一つであることを報告した。
同時に、日本の対アフリカ政策では、「平和の定着」のために、「セキュリテ(Security)」、「ガバナンスと移行(Governance and Transition)」、「コミュニティ再建と社会経済開発(Community Reconstruction and Socio-Economic Development」の3分野を、重点分野として新イニシアティブを進めること、この新イニシアティブでは、平和の定着で特に重要な段階にある地域や国々に対し、2006年3月末までに約6,000万ドルを供与することが発表された。

 議長挨拶に続く全体会議では、国際機関やルワンダ、タンザニアのNGO代表から、それぞれの経験に基づく平和の定着に関する報告が行われた。その後、参加者は、日本の新イニシアティブの重点3分野をそれぞれテーマとする3分科会に分かれ、1日目午後と2日目午前を通して、各国や各機関の課題について経験を踏まえた協議を行った。

 各分科会の協議内容の報告と提言は、2日目午後の全体会合で報告され、塩崎議長による議長サマリーの発表で締めくくられた。

議長サマリーでは、平和の定着には①アフリカのオーナーシップが重要であること②市民社会の役割が大きいこと③アフリカ諸国間のパートナーシップを強化する必要があること④コミュニティ再建には、特に女性、若者、市民社会の果たす役割が重要であることが確認された。また、平和の定着には、アフガニスタンやカンボジアなどアジアでの経験をアフリカと共有することが効果的、との日本からの提案も報告され、2日間にわたった平和の定着会議が終了した。

 同会議にオブザーバー参加した第一印象として、まず、このような大規模な国際会議を、日本政府がエチオピアで主催し、塩崎議長のリードで、国際機関や各国代表をまとめて整然と会議が進められ、最終的に議長サマリーを取りまとめられたことに感心した。

 同時に、アフリカ諸国からは、会議の招待を受けた各国1名の代表以外に、自費参加で複数名が参加している国が多数あることを知り、アフリカ諸国の日本の支援、あるいは政治的調整能力に対する期待が高いことを痛感した。

 さまざまな国や機関の経験を共有し有機的な連携のきっかけづくりのため、このような会議を開催することは意義あることと考える。その視点からいえば、少なくとも、連携のための枠組みづくり、あるいは既存の枠組みへのTICADによる支援をもう少し明確にしても良かったのではないか。今回の会議では、TICADという枠組みで具体的にどんな政策がとれるのか?を議論したり、あるいは示せたりが出来たとは思えない。

 会議での報告や議論を聞く限り、事業段階での市民社会の果たす役割の重要性へは、ほぼ共通の理解があると思える。また、女性や若者へ着目することの重要性も、ほぼすべての発表者・発言者が触れていた。ただし、具体的な方法論についての言及はほとんどなく、どのように実践されているのかをモニタリングすることが大事or 必須と考えられる。一方、立案段階への市民社会の参加や、市民社会の経験や意見を政策にフィードバックすることに関するコメントは全く無かった。

 全体的にマクロなレベル、理念レベルの発表や発言が多い中で、カンボジアの発表は、実施してきた地雷除去事業の具体的な説明だったので、際立っていた。この会議に続く、より実質的な連携のためのフォーラムが用意されるなら、こうした具体的な経験の話が有効となるであろう。日本の支援と国連機関の機動力を組み合わせた事業の展開(スーダンでのUNICEFとの連携、リベリアでのUNHCRとの連携など)の発表もあり、日本政府の支援に期待が集中していたように感じられた。
 スイスのNGOであるFemmes Africa Solidariteの代表が閉会直後に私たちの席に来て、「この市民社会代表の参加状況では、とても市民社会をパートナーとして見ているとは思えない。市民社会には参加経費の支援がまったくなかったのは残念だ」と語った。

 このような国際会議は、アフリカ各国の代表部との交渉や調整、市民団体との関係づくりなどの会議開催に至るまでのプロセスが重要と考えられる。今回は、「盛大な会議を立派に開催した」という印象は残ったが、上記のようなプロセスが、参加者には分かりにくかった。

 この会議に参加して、今後、TICADプロセスが進められる中で、TCSFとしては、「市民社会のTICADプロセス、TICADへの正式参加」、そして「アフリカ側(AUやNEPAD)がTICADの主催者に加えるべき」とのメッセージを、国内外へ発信していくとともに、市民社会による参加が何を意味するのかについて具体的に示すことの緊急性、重要性を再認識した。(石田洋子・白鳥清志)

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【1.アフリカ・アラート】・・・2.「平和の定着会議」報告会
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 3月21日に早稲田大学にて、TCSF主催の「TICAD平和の定着会議」参加報告会が行われた。共催団体は、早稲田大学アフリカ研究所と(特活)日本アフリカ協議会(AJF)。後援団体は、アフリカ平和再建委員会(ARC)、(特活)JEN、(特活)難民を助ける会(AAR)、(特活)日本紛争予防センター(JCCP)、(特活)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)の5団体であった。

 当日は外務省やNGOなどからの関係者を含む40名ほどの参加を得て、会議の成果と課題について報告、議論を行った。

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【1.アフリカ・アラート】・・・3.ジンバブエにおける強制排除事件
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 ジンバブエで2005年5月から7月から行われた「秩序回復作戦(ショナ語名Operation Murambatsvina、「ゴミ片付け」の意)」により、主要な都市部で政府により違法とされた住居や小規模店舗などが次々と破壊または強制撤去され、おびただしい数の国民が住居と収入源を奪われた。ティバイジュカ国連事務総長特使の調査報告書によれば、都市部全体で約70万人が家または仕事を失ったか、あるいはその両方を失ったとされている。

 しかし、人道支援が必要な状況は存在しないとしているジンバブエ政府と、今なお屋根のないところで暮らしている人々に対して支援の手をさしのべようとする国際社会との間では緊張関係が続き、人道支援を巡る動きの「政治化」が際立っている。

一方で、農地の強制収用を実施するなど国民に対する締め付けを強化している政府は、NGOなどのいわゆる「市民社会」に対しても、反政府勢力の芽を摘むためNGO法案を作成し規制強化を図るなど、その圧力をますます強化している。

 政府によれば、この作戦は長期的な秩序の回復を目指したものであり、家を失った者に対しては、「住宅建設作戦(以下、ガリカイ作戦)」(Operation Garikai/Hlalani Kuhle)として、政府による住宅の一斉建設を計画していると発表したが、十分な予算確保もできておらず実現可能性の乏しいガリカイ作戦は、秩序回復作戦とともに国際社会の厳しい批判にさらされることになった。

 秩序回復作戦後、人道支援状況はますます深刻化しているにもかかわらず、むしろ政府は人道支援をする状況はないとして国際社会の緊急支援を拒否するなど、国際社会に対する反発すら見せている。人為的な理由から、政府が自ら深刻な人道支援が必要な状況を作り出したという国際社会の批判は、多くの主要ドナー国に無償資金協力・二国間援助の凍結、さらには一部制裁を実施させるなどの結果を生み出した。アフリカ人権委員会(ACHPR)は、ジンバブエ政府に対する人権問題への緊急の対策、第17回修正憲法、公共秩序・安全法 (POSA)(注1)と情報アクセス・プライバシー保護法 (AIPPA)(注2)及び放送サービス法 (BSA)(注3)の修正または廃棄、及びティバイジュカ国連事務総長特使の報告書提言の実行を求めている。

 一方で政府はジンバブエ人権委員会の設置を発表しているが、市民社会の一部は、第17回修正憲法が有効なままでの同委員会の設置は、本当の意味での人権保護ができないとして、新憲法の作成を呼びかけている。

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注1:デモや集団職場放棄の禁止、また3人以上集まる際は警察への「集会」の許可を要求するもの。

注2:政府指名のメディア委員会(MIC)の判断により、新聞社、放送局(テレビ・ラジオ)、記者などの活動登録を行うもので、POSAとともに民主主義・言論の自由を抑圧する法として批判されている。

注3:ジンバブエ放送管理当局(Broadcasting Authority of Zimbabwe)による放送サービスの管理を行うもの。

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【1.アフリカ・アラート】・・・4.東アフリカにおける干ばつ被害
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 国連統合地域情報ネットワーク(IRIN)によれば、現在東アフリカ地域では干ばつにより、ケニア(350万人)、ソマリア(170万人)、エチオピア(260万人)、ジブチ(8万8000人)、エリトリア(50万人)、タンザニア(370万人)において約1200万人が食料危機に直面し、緊急人道援助を必要としている。

 最も大きな被害を受けているのは牧畜地域社会であり、多くの家畜が失われている。例えばソマリア南部のゲド(Gedo)では、家畜の牛60~70%、羊・山羊40~50%、ロバ30~40%、ラクダ5~10%が失われただけでなく、辛うじて生き残った家畜も衰弱している。牧畜地域社会では、トウモロコシなど必需品購入に必要な現金を得るために家畜に依存しており、家畜を失うことは彼らの生死に関わる。

しかし、家畜市場価格の暴落やトウモロコシなどの穀物価格の高騰により、家畜を売って現金を得たとしても十分な食料を得ることは非常に困難になっている。またこうした地域では、緊急避難メカニズムとして都市で雇用されている親類からの送金に依存してきたが、失業率の悪化によって送金を得る機会が失われていることも危機の拡大に影響している。

 干ばつ被害は、牧畜地域社会に止まらず、他の地域や非牧畜民にも拡大している。国連児童基金(UNICEF)によれば、ケニア、ソマリア、エチオピア、ジブチにおいて、5歳未満の子供150万人が生命の危機にさらされている。しかしUNICEFによれば、危機に直面している150万の子供たちに予防接種や十分な食料・水を供給するためには1000万ドルが必要であるが、現在のところ援助として集まったのはその半分にも満たない。

 今回の干ばつ被害に際し、各国政府、国連世界食糧計画(WFP)をはじめとする国際機関は国際社会に対して緊急援助要請を行っているが、国際社会からの反応は非常に鈍い。例えばWFPによれば、ケニアの食料危機に関して2億2500万ドルが必要であるが、集まったのは必要な額の10%にも満たない。被害が拡大する中、4月上旬には国連のエグランド事務次長(人道問題担当)が、特に被害が深刻な800万人への水や食料の緊急支援に4億2600万ドルが必要であると記者会見で述べるなど、さらなる援助が必要とされている。
 ケニア人のAnthorny Mathenge氏は本稿に寄せてくれたコメントの中で、干ばつ被害の拡大には国際社会からの援助不足以外に別の問題点もあることを指摘してくれている。

 「今回のケニアの大部分に広がる食料危機において、国家の災害に対する準備不足が露呈しています。特に、緊急援助を必要としている地域に対して援助物資を早急かつ効果的に分配するうえで、ロジスティックに問題があります。」
 WFPが認めるところによれば、被害地域に通じる幹線道路の状態が悪いため物資の供給に遅れが生じ、物資が到着したときには既に多くの死者が出ていることもあるという。
 干ばつ被害は、牧畜地域社会が抱える構造的問題、国際社会の鈍い反応、そして物資供給の問題など幾重にも積み重なった結果である。そのため現状においては緊急援助が必要とされているが、根本的に問題を解決するまでには長期的な取り組みが必要であろう。

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【2.アフリカCSOアラート】・・・ケニアにおける食料危機
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東アフリカ地域での干ばつ被害について、ケニアのCSO、アクションエイドインターナショナル・ケニア(ActionAid International-Kenya)からの現地報告が送られてきた。2006年1月現在の情報であるが、干ばつ被害の様子を伺い知ることが出来る。

 例年を上回る収穫により、ケニアの多くの地域では食料安全保障が良好に保たれている一方で、北部及び東部の牧畜地帯では、長期化している干ばつによって深刻な食料危機が起きている。

 11月と12月の殆どにわたって雨が少なかった2005年の短雨季は、すでに干ばつの打撃を受けていた東部・北部の牧畜地帯と南東部の農耕低地にとってさらなる痛手となっている。これらの地域での今季の累積降雨量は平均の30%を下回っており、100%配給での緊急食糧援助と非食料援助を必要とするのは250万人に上るだろうと予測されている。1月に雨が降らなければ、深刻な食料危機をもたらすであろう。

 このような状況への対応はすでに始まっており、ケニア政府、WFP、アクションエイドケニア等のNGOによって、緊急食料援助や家畜買い付けプログラム、給水等が行われている。しかし援助の対象者が増えるだろうことを考えると、2006年2月以降は追加的な資源の提供がない限り支援は難しいと思われる。国際社会の早急な対応が必要である。

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◇ ◆編集後記◆◇
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 今回取り上げたジンバブエ・ケニア・東アフリカの危機的状況は、どちらも現在進行中の問題であり、今後も注視していく必要があると考えられます。次号のアラート通信第5号では、コンゴ東部の選挙実施・ケニアにおける干ばつ問題などについてお届けする予定です。

 また、アラートWGブログについて、日本語版に加えて新たに英語版を作成いたしました。是非ご覧ください。
日本語版----> http://blog.livedoor.jp/ticad_csf/
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