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福田康夫・内閣総理大臣のTICAD IV開会基調演説に対するNGO連合の見解

2008年5月28日、横浜: 本日、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が当地で開会しました。福田康夫・内閣総理大臣は開会に当たり演説を行い、今後5年間にわたる日本の対アフリカ支援の方針を表明しました。これに対し、TICAD・IV NGOネットワーク(TNNet)および2008年G8サミットNGOフォーラムは、以下のように見解を発表しました。

経済成長加速化のための民間投資支援
首相はまず、アフリカ諸国が経験している急速な経済成長に言及し、この成長をさらに加速させるための、交通インフラ整備などへの今後5年間にわたる円借款40億ドル、日本からの民間投資の倍増に向けた貿易保険、JBICによる対アフリカ金融支援25億ドル(5年間)などの、様々な支援策を表明しました。

アフリカ諸国が経済成長を必要としていることは確かですが、私たち市民社会組織グループは、アフリカ諸国の社会がさまざまな社会・経済的な分断を抱えている現状を踏まえ、経済が成長し、経済活動が活発化している今こそ、すべての人々がその経済活動に参画できるよう、教育や保健を中心としたミレニアム開発目標分野への資金投入を優先すべきと考えます。

また、一次産品価格の下落を発端に生じた対外債務により、アフリカの人々の貧困は深刻化の一途をたどってきました。アフリカがここ数年間続けている経済成長は、持続的なものになっているとは言い切れません。この状況で、アフリカ諸国に巨額な借款を行い、再び大きな債務を生じさせることが適切なのかどうか、また、アフリカ諸国が、現在、また将来的に、これらの借款の返済能力を確立することができるのか、強い疑問を感じざるを得ません。

ミレニアム開発目標(MDGs)
ミレニアム開発目標について総理はMDGsの達成に向けての決意を明確にし、その中でも保健医療分野の協力強調し、リプロダクティブ・ヘルスの重要性、5年間で保健人材10万人の養成を含む支援策を発表しました。これ自体は歓迎されるべきものの、アフリカの保健セクターで問題となっているのは、貧困層にとって重要な公的保健サービス向け政府予算が不足していることから、養成を受けた資格者の雇用先を確保できず、また、労働にみあった賃金を支払うことが出来ないことから、多数の人材が国外に流出しているということです。保健人材問題に取り組むのであれば、人材の採用及び雇用の継続も含めた資金拠出が必要です。また、総理は感染症との闘いを支援するため、先週行われた世界エイズ・結核・マラリア対策基金への当面総額5.6億ドルの拠出誓約について言及しました。しかし、当該拠出は、暦年2010年末までの2年以内に行われなければ、日本の世界基金への実質的な拠出増になりません。市民社会は、日本政府が当該拠出を暦年2010年末までに完了することを求めます。
また、格差のない社会を創るために教育が果たす役割が大きいことは、TICADの準備プロセスでも繰り返し議論されてきました。首相は「人材はとても大切な資源」であると述べており、教育の重要性に言及しています。普遍的教育の達成のために、FTI(ファスト・トラック・イニチアチブ)への資金拠出が必要です。

アフリカ向けODA拡大
総理は、アフリカ向けの無償援助・技術協力を倍増する旨、表明しました。配布されていた政府資料によると、これを「債務救済とは別に」行うことになっており、ほとんどの増額分が債務救済に消えてしまった2005年の対アフリカ支援倍増公約に比べ、「真水」の増額が見込める点で、評価できます。7月のG8北海道洞爺湖サミットに向けては、この増額が、他の途上国地域から援助資金を奪うようにならないよう、援助総額自体を現在の国民総所得(GNI)比0.17%から0.7%に引き上げるためのタイムテーブルを公表することが求められます。

気候変動
気候変動について福田総理は、クールアース・パートナーシップによる100億ドル規模の資金を強調しました。しかし、この資金は排出削減に取り組む途上国を主に想定したものであり、削減よりも適応を課題とするアフリカ諸国にどれほどの資金が振り分けられるのか、不明なままです。また、この資金は過去の公約であるODAのGNI比0.7%とは別の追加資金として供与され、また気候変動の影響を受ける国々が主体的に資金を活用できるよう、途上国の発言権が確保されている国連適応基金を通じて拠出される必要があります。

また、日本が大量の温室効果ガスを排出し続ける限り、その分アフリカの人々の暮らしは破壊され続けます。日本がまず行うべきことは、アフリカ諸国への適応支援とともに、自らの排出量削減に向けた野心的な中期目標を設定し、それを着実に達成することです。温暖化に関する自らの責任を全うせずに、その被害を受ける国々への支援を行うことでは、問題の一面にしか対応できませんし、長期的には問題の深刻化を防ぐことができません。

以上

本件に関するお問い合わせは、こちらにお願いいたします。
TICAD IV・NGOネットワーク 冨田沓子 090-5217-6448
2008年G8サミットNGOフォーラム 山田太雲 080-3155-7017

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2008年05月28日 17:12に投稿されたエントリーのページです。

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