■□ 講演会 記録
 
龍谷大学・アフリカ日本協議会・TICAD市民社会フォーラム・JICA共催

コナレAU委員長 講演会

「アフリカ連合(AU)と日本-市民社会への期待-」


開催日時: 2004年10月16日(土)10:30~12:00

会   場: 龍谷大学深草学舎21号館603教室

大林教授(龍谷大学経済学部):
時間になりましたので始めさせていただきます。多くの方に参加いただき、アフリカへの関心の高さを再認識いたしました。挨拶が遅れましたが、私、司会を担当しています、TICAD市民フォーラム代表、龍谷大学経済学部教授の大林です。この講演会は、龍谷大学、アフリカ日本協議会、TICAD市民社会フォーラム、JICAの4者の共催で行っています。昨日、コフィ・アナン事務局長からコナレ委員長に電話があり、ダルフール問題で急きょ明日の昼までにトリポリに行かなければならなったそうです。そのような忙しい中コナレ委員長におこしいただき、大変感謝しています。それでは、共催者を代表して、龍谷大学の川端正久教授から挨拶をお願いします。

川端教授(龍谷大学法学部):
本日は、コナレさんをお招きし、講演会を開催することができました。龍谷大学は共催者の一つですが、他にアフリカ日本協議会、TICAD市民社会フォーラム、国際協力機構のご協力によりこの講演会を開催することが出来ました。各団体に感謝申し上げます。コナレさんはマリ出身で、マリにはトゥンブクトゥという古い歴史と伝統の街があります。ここ京都も日本の古い歴史と伝統の街であり、共通点があるのではないでしょうか。さて、アフリカでは現在民主化が進んでいます。コナレ氏はそのマリの大統領として、民主化に大きく貢献されてきました。これは国際社会でも大きく評価されています。アフリカ連合は2年前、2002年7月に成立しました。コナレさんは昨年9月からアフリカ連合(以下、AU)の委員会の議長をされています。AUが直面するもっとも緊急の課題は、ダルフール紛争であり、コナレさんは日夜解決に向けて奮闘されています。AUはその活動の大きな柱として、市民社会との連携に取り組まれています。したがって、今日の講演では、日本とアフリカをつなぐために、日本の市民社会は何をしたらよいのかといったお話しが聞けるのではないかと期待しています。

大林教授:
ありがとうございました。それでは,講演にうつる前に、コナレさんの略歴を紹介したいと思います。お生まれは1946年、現在58歳になられます。マリ出身、歴史と考古学の博士号を取得、研究・教育畑を歩んだのち、マリの文部科学省の歴史・民族遺産課長を務めたのちに、青年スポーツ芸術科学大臣を歴任、その後政治の世界に入られ、マリ民主連合の創設に参加、その後総裁になられました1992年に民主化されたマリの初代大統領となられ、2002年の任期満了までマリの民主制の枠組みを確立されてきました。2003年9月、AUの委員長に就任されました。それでは、講演をお願いします。



 コナレAU委員長 講演録 】

本日ここで皆様の前でお話しをさせていただけることは、大変栄誉であり、大変な喜びです。
このように多数の方々がこの講演会に来られたことは、アフリカへの関心の高さを示すものです。また、他の国の人たちに強い関心を持つということはとても大切なことです。私を招聘くださったことを、本大学の学長を初め、皆様に感謝いたします。

現在のアフリカは、決して手の施しようがない状態ではなく、アフリカこそがこれから多くの貢献をなしえる大陸であることを、まず確認したいと思います。そのためには、日本のサポートが重要です。「アフリカの問題の解決をなくして、世界の繁栄はありえない」。これは、森元首相のお言葉であり、小泉首相も同じように主張されています。1993年、TICADが日本で開催されました。世界全体がアフリカの未来に悲観的であった時に、日本はTICADの開催を通して、アフリカの重要性を主張してくださったのです。2000年、沖縄でのサミットでは、アフリカの代表がサミットに出席できるように働きかけてくださいました。

多くの方々は、アフリカと言えば、ダルフールの状況を思い浮かべるでしょう。しかし、アフリカ大陸全体がダルフールのような状況にあるわけではありません。もちろん、ダルフールのような紛争をなるべく早く解決しなければ、方々に波及していくことも事実です。過去数年間に渡り、アフリカは解決に向け努力を重ねてきました。例えば、アンゴラ、チャド、コンゴ、ルワンダ、ブルンジ、ソマリアは紛争解決の方向に進み、平和のプロセスを歩んでいます。紛争の他に、AIDS、平均寿命の低さ、国際貿易のパフォーマンスの悪さ、貧困、ガバナンスの悪さなどの問題がアフリカにはあります。これらの問題を放置していれば、状況は悪化の一途をたどることになります。その場合、アフリカは世界のリスクになり兼ねません。アフリカ人自身は自らこれらの問題を解決するための強い意志を持っています。またわれわれは貧困、紛争の原因は、ガバナンスの悪さ、民主化の遅れにあり、さらにこれらの問題を解決するためには、パートナーシップの溝築が必要だと認識しています。われわれは、以上のような決意の下、アフリカ連合(以下、AU)を結成しました。

AUができた当初は、その将来に懐疑的な見方が多くありました。アフリカ統一機構(以下、OAU)はアフリカ大陸の統一、アパルトヘイトに対する闘いのための組織でした。アパルトヘイトは解決し、アフリカ大陸の多くの国が独立を果たしました。しかし、経済的な問題はOAUには解決できませんでした。だからこそ、AUはアフリカの今日的課題に対処するために設立されたのです。OAUは政府間の協力のための機構でした。AUも政府間の組織ですが、ヨーロッパ連合(以下、EU)と同様に、単なる協力にとどまらず、統合を目的としています。53ヶ国が協力を強化し、連帯感を高め、アフリカ市民として行動をともにすることを目指した組織です。この統合が完全に進めば、アフリカ大陸に住む人々は、誇り高いアフリカ市民となるでしょう。

OAUには、事務局のみしか存在しませんでしたが、AUには、さまざまな組織があります。AUには、まず、私が議長を務めています委員会があります。委員会は執行部であり、AUの政府です。AUの委員会は5名の男性、5名の女性で構成し、男女平等が達成されています。これは、女性の地位の向上を意味しています。また、議会がプレトリアに設置されています。社会文化経済協議会も設立される予定です。これは、民間セクター、市民社会との窓口になります。また、司法裁判所もあります。さらに将来は、中央銀行、投資銀行、アフリカ投資基金を設立する予定です。もう一つ重要な機関は、平和安全保障理事会です。これは、国連の安全保障理事会に類似したもので、アフリカ大陸における平和と安全保障の問題を検討する機関です。われわれは平和に向かって努力しています。紛争が起こらないようにすること、紛争が生じれば対処することが必要です。外国の介入は解決の手段としてふさわしくありません。平和安全保障理事会は、15ヶ国が加わっており2~3年間、平和と安全保障の問題を協議することになっています。平和安全保障理事会は、防衛と安全のための共同政策を実施することになっています。AUは、SADCC、ECOWASといった地域経済機構との関係を強化しています。また、各地域に部隊を配備し、問題に迅速に対応できるようにしています。また、平和安全保障理事会のなかには、監視団を設置しており、ここでは5名の賢人が問題解決の方法を議論し決定することになっています。さらに、平和基金も設立しました。

AUがOAUと異なるのは、国家間、国家元首の連合体なのではではなく、アフリカ市民の連合体であると考えている点です。そのため、AUは市民社会との連携を重要視しています。様々な民族の貢献がなければアフリカにおける問題の解決は有り得ないことを認識し、AUの設立規約において、市民社会、市民の地位の重要性が確認されています。民主的な行動をとることがAUの重要なキーワードです。AUの規約では、憲法に反した手段でのクーデターにより、既存の政府の転覆を図ること、さらに、クーデター後に選挙をしたとしても、これは決して認められないということを強く謳っています。また、クーデターに限らず、憲法の解釈を曲げてしまうような形で政権を掌握することにも、AUは厳しく対応していきます。また、ジェノサイド、大量殺戮についても諸外国の干渉、介入なしに、AUが対処していく姿勢です。

国連加盟国の35%はアフリカの国で構成されています。アフリカの声を一つにして主張するために、日本と同様、AUも国連安全保障理事会の常任理事国への選出を希望しています。アフリカには多くの天然資源があります。しかし、欧米が廉価な価格で利用しているのが現状です。アフリカは交渉力を強めるために、政府だけでなくNGO、市民社会などの様々なアクターを動員する必要があります。一週間ほど前、アフリカの知識人とディアスポラ(出身国以外に住む人々のコミュニティー)との集まりがダカールで開かれました。アフリカの知識人達も、アフリカの統合に向けて貢献することを期待しています。

AUは強い影響力を持つ組織でなければならないと考えています。共同防衛政策、共同外交政策を持つ組織であり、海外の主要な都市、例えば日本にも、まもなくAUの代表部が開設される予定です。日本とは、今後さらに強いパートナーシップを組んでいくつもりでいます。今後は、バイラテラルな関係だけでなく、マルチラテラルな関係を築いていくことも重要です。これはアフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)を通じて達成されるものでもあります。

貧困削減のためには、小さなプロジェクトも必要です。しかし、それだけではなく、道路の建設、鉄道の建設、エネルギーの開発といった、大規模なプロジェクトも必要です。アフリカをより開発させるためには、カイロからケープタウンまで鉄道を敷く、ダカールからジブチまで道路を敷く、さらにエネルギー開発のためコンゴ川のダムを周辺諸国で活用することも求められています。

現在のアフリカの輸出市場は、欧米諸国の補助金によって狭められています。もちろん、自国の産業を保護することは必要です。しかし、アフリカ・マーケットにももっと目を配っていただきたいのです。いかにアフリカ製品を海外に輸出させるかは、AUとNEPADの課題の一つです。

それから、財源の問題も提起しています。2000年にミレニアム開発目標が決められましたが、この中でアフリカでは2015年までに目標を達成することが宣言されました。しかし、進捗状況を見てみますと、今のままでは100年、150年かけても目標は実現しないことは明白です。例えば、社会開発に関する報告書を見ますと、現状では教育目標の達成は2150年になってしまうことが明らかになっています。貧困を半減にするという目標についても実現しません。不足しているのは資金ですが、対外債務の救済やODAを増加させることだけでは十分ではありません。日本やヨーロッパ諸国が戦後復興のために得られた財政援助や、EUに今後加盟する諸国に対してなされる財政援助と同様に、発展のための特別な財源が必要なのです。ミレニアム開発目標を達成するためには、3兆1000万ドルが必要であると算出されています。他方、世界では多くのお金が武器購入資金に充てられています。アフガニスタン戦争では巨額の資金が浪費されました。これらのお金を開発に使い、ミレニアム開発目標の実践に充てれば、かなり多くのことが達成されるのです。これは、開発の選択の問題です。この分野で、日本の市民社会の皆さんはこれらの問題を解決するために大きな役割を果たせる立場にあります。

アフリカの天然資源に対し、適正な価格での取引を求めます。現在石油は1バレル50ドル以上で販売されていますが、石油産出国が受け取るのはわずか20ドル程です。例えば、チャドは9億ドル分の石油を提供したにもかかわらず、100分の1しか受け取っていないのです。アフリカ諸国は慈善を求めているのではありません。 アフリカには広大な国土があり、地球環境にも大きな役割を果たしています。天然資源の宝庫でもあり、例えばアメリカは25%の石油をアフリカに求めなければならなくなるでしょう。アフリカは世界のすべての国にとっても重要な大陸です。20年後、アフリカは中国、インドについで、世界第3番目に多くの人口を占める国になります。その人口の半分は15歳以下です。アフリカ大陸は20年後も発展し続ける市場なのです。

アフリカは世界の金鉱のような大陸です。このような大陸を開発せずに、1日1ドルで生活しなければならない状態を放置していれば、これは世界の大きなリスクにもなり得るのです。環境、貧困の悪化の被害を受けるのは、世界の国々です。様々な不正義、テロが増えることになるでしょう。我々、アフリカは自己批判を恐れず、また真の民主主義を確立できる力を持った地域なのです。


大林教授:お話ありがとうございました。

それでは、会場から質問・コメントをいただきたいと思います。


質問者1.ネットワーク「地球村」 羽鹿:
アフリカの状況は全体としてよくなってきているとのお話がありましたが、紛争が解決してきている要因は何でしょうか。

質問者2.日本サハラウイ協会・香川 高林:
講演のなかで、AUは53カ国がひとつの声で語り、ひとつの行動をとっていくという力強いお話しがありました。53カ国のなかには、現在不幸にもモロッコに占領されていますが、サハラ・アラブ民主共和国がメンバーとして加わっています。西サハラの問題は、アフリカ最後の植民地と言われ、安保理が長らく取り組んできました。アフリカ連合も70年代より長きに渡って住民投票の実現のために努力し、西サハラ問題に関わってこられました。今後、AUとしてどのような取り組みをされるのか。安保理の常任理事国を目指す日本政府、日本市民としてどのような貢献ができるのかをお伺いしたいと思います。

質問者3.大阪大学大学院 金山:
紛争解決についてお伺いします。短期、中期、長期的な紛争解決システムが考えられますが、今現在起きている紛争解決の交渉をどのように進めていくのか、一旦解決した紛争の再発をどのように防ぐのかについては同時平行で短期的なアプローチが必要であると考えます。お話しのなかで、ECOWASのような準地域機構との協力を築いていると言われていましたが、現在どのようなネットワークを築いていているのか、具体的にお伺いしたいと思っています。また、紛争解決の形として、パワー・シェアリングとフェデラリズムが注目されていますが、アフリカの社会構造に適した政治システムはどのようなものと考えているのかお伺いしたいと思います。

コナレ委員長:
ありがとうございます。
アフリカ大陸の紛争の原因は、各国の内政に起因するものが多くあります。例えば、民主主義が十分に根づいていない、資源の配分が不公平である、また選挙がうまく運営されておらず、政治の不安定を生んでいるといったことがあげられます。そして、一部の国民がマージナル化され、武器を持って反乱軍に加わるという構図がみられます。しかし、各地域の民族・部族の独立を認めるなら、アフリカ大陸には5,000もの国が誕生してしまうでしょう。したがって「民族=国民国家」の概念の強要は適当な解決策ではありません。各地域へ適切に利益の分配を行うことが必要であり、連邦制や地方分権を行い、自治体・地域にパワーを与えるのもひとつの解決策かもしれません。

紛争は、暴力によってではなく、対話によって解決されるべきです。その際、マイノリティー、部族、NGOを組み込むことに躊躇してはいけないと考えます。戦争によって問題は解決できないのです。スーダン中央政府は武力によって紛争が解決できると考えましたが、そうではありませんでした。ダルフール紛争の原因は土地問題です。要するに、家畜業と農業の水利権の争いです。こういった紛争は、内政、宗教対立、ガバナンスの悪さ、司法権が作用していない点が原因です。したがって、政治の安定が実現し法治国家の体裁が整えば、このような問題は解決できるでしょう。紛争を解決できないのなら、アフリカの発展を考えることはできません。アンゴラや、コンゴでは、一日100万ドルが防衛費として費やされ、開発の足かせとなっています。

AU内ではさまざまな紛争解決メカニズムが考えられており、現在それらを実施する準備を進めているところです。AUの平和安保協議会も実際機能しています。ダルフールにおいて、現在300人の監視団がすでに監視にあたっています。これを更に5000人に増やす予定です。各地域に軍隊を配備し、紛争を予防することを考えています。紛争の予防はグッド・ガバナンスにつながるものと考えています。

AU加盟国53カ国と言うとき、そこにメンバーとして入っているのは西サハラであり、モロッコはメンバーではないのです。モロッコはOAUが西サハラを認めたことに反対して脱退しました。モロッコのような重要な国がAUに加盟し役割を果たすことは本来不可欠です。なのに、モロッコが国連の和解提案を受け入れないために、モロッコはAUの外にとどまったままなのです。この問題はアフリカの問題です。マグレブは「中東」だとよく言われます。それは一面事実です。しかしマグレブはアフリカなのです。

いろいろな紛争から、そのメカニズムを学び取り、調停のメカニズムを構築することができると考えられます。さまざまな人々が政権を奪取しようとしています。このような時、NGO、市民社会を組み込み、世論を確立することが必要です。世論形成のためには、人々に情報を提供し、人々が状況を把握できることが重要です。紛争当事者、政権を奪取しようとする人たちだけでなく、市民社会全体が平和のプロセスに参加しなければなりません。ダルフールの紛争解決についても、このような趣旨から市民社会の組み込みが必要であると考えています。

大林教授:
AUの責任者から、現実の問題に関して実践的なお答えをいただいたこと、またそれがアフリカの新しいビジョンに基づいていることを伺い、大変勇気づけられました。アフリカの市民社会が平和プロセスに参加し、時には政府に圧力をかけなければならないのと同じように、日本の市民社会もまた日本政府に対し同様の役割を果たさなければならないと思いました。
続いて、質問のある方。

質問者4.龍谷大学法学部2回生 匠:
コナレさんをはじめ、アフリカのみなさんはどのような発展をして、どのようなアフリカを作っていきたいと考えているのかお伺いしたいと思います。

質問者5.コートジボワール商工会議所 Yai Alexendre
AUが各地域に介入する際に、NEPADで掲げているのと同じような方策をとるのでしょうか。

質問者6.筑波大学 岩田:
現状では、NEPADを始め新しいパートナーシップにすべてのアフリカ諸国が協力しているわけではありません。この点について今後の取り組み、課題、日本ができることをお伺いしたいと思います。

コナレ委員長:
アフリカ大陸のすべての国々が協調していないという指摘は、確かにあります。しかし、(略)。中央アフリカ共和国でクーデターが起きましたが、次の選挙を実施するまで私は中央アフリカが出席する会議をボイコットするでしょう。

来年我々はアフリカにおける憲法に関する会議を開催したいと思っています。人々は憲法とは何であり、どこを変えなければならないのか、どこを堅持していくのかということを考えるようになるでしょう。このように議論をすることが重要であり、ゆっくりしかし着実に前進しなければなりません。AUでの議論では、国家元首間だけではなく、市民社会、各政党が議論と決定に参加することが必要です。

アフリカの開発には、単一のモデルはあってはならないと考えます。アフリカ内の市場をどのように変えていったら良いのか、雇用が生まれないのはなぜかを議論する必要があります。日本は天然資源を買い付けていますが、欧米などを仲介せず、直接アフリカから買い付けていだくことを日本の市民社会のみなさんの協力によって実現できないでしょうか。多国籍企業に対してもAUとして対等に交渉することができます。日本の援助は、人材養成、職業訓練を重視しています。私もアフリカにとって、人材養成、職業訓練が必要であると考えています。また人材を活用するには投資が必要です。特にインフラの整備を行い、生産物を輸出できる環境も必要です。われわれはAUとして一致団結するだけでなく、各国の市民社会とのパートナーシップが重要であると考えています

アフリカは世界のごみ箱とされています。例えば、EUで禁止されている薬品がアフリカで販売されたり、核廃棄物が投棄されたりしていますが、これらの問題は市民社会との連携なしに解決されません。われわれアフリカ人は、みなさんと同じ人間です。空気が汚染されれば誰にとっても有害なのです。天然資源を30年で全て開発してしまい、安い値段で欧米に買われ、その間アフリカの開発がなされなかったことは、われわれの最大の悲劇です。残ったのは、有害物質と病気だけで、アフリカはごみ箱化されてしまっています

大林教授:
2年前、龍谷大学では『アフリカの挑戦:NEPAD』という本を出版しました。本の結論と、委員長の発言が同じであったことを心強く思います。つまり、NEPADは完成された組織ではなく、民主的で開かれたアフリカを作るための、ダイナミックな闘いの場であるということです。現実にアフリカを動かして変えつつある、NEPADとAUについてお話いただきありがとうございました。
近畿はアフリカ研究の中心でもあります。この講演会を契機にアフリカ研究の中心だけでなく、アフリカとの連帯の中心となる第一歩となるように願っています。 フロアーからも多くの質問をいただき、講演と同じように充実した質疑応答になりました。質問者の方々の知的貢献にも感謝いたします。

コナレ委員長:
アフリカは孤立していないこと、常に多くの人たちが一緒に歩んで下さっていることに感謝したいと思います。人こそが重要な資源です。アフリカの状況は多くの困難を含んでいます。だからといって、これを解決する手段がないわけではありません。困難を解決するためには、統一、統合、責任感が必要です。民主主義のための、グッド・ガバナンスのための闘いがアフリカに法の支配を形成していくのです。また、正当性と正義が必要です。アフリカは困難を乗り越える、長い歴史、文化、伝統があり、多くの天然資源、鉱物資源といった可能性を備えています。アフリカはまた若い大陸です。若者により良い未来を任せたいと考えています。われわれは孤立しているのではなく、多くの世界のパートナーが、市民社会、友好国がアフリカに協力しています。われわれは自助努力をさらに重ね、アフリカは世界にとってリスクではなく、世界全体がアフリカから多くの利益を享受できるようにしていきたいと思っています。

日本の首相が言われたように、アフリカの問題が解決できなければ21世紀の繁栄はないのです。20世紀はアジアの時代になるといった人がいました。これは実現しています。21世紀はアジアと同様、アフリカも世界の重要なメンバーにならなければなりません。このためには、みなさまのご協力をお願いいたします。

このように多くのみなさまが私の話しを聞きに来て下さったことは、アフリカに対し強い関心があるということを示しており、大きな安心感を得ることができました。龍谷大学の方々、JICAの方々、そしてみなさまこれからもアフリカのためにご協力下さい。
ありがとうございました。

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