(TNnet事務局作成)
○日時: 2008年3月11日(火) 14:30〜16:30 (760会議室)
○場所: 外務省 760 国際会議室
【参加者/参加団体:36名】
参加団体/参加者:
A.外務省: 木寺 昌人 アフリカ審議官
別所 浩郎 国際協力局局長
岡田 誠司 中東アフリカ局アフリカ第二課課長
佐々山 拓也 アフリカ審議官補佐
鈴鹿 光次 国際協力局民間援助連携室首席事務官
臼井 将人 国際協力国別協力第二課首席事務官
田付 晃 国際協力局民間援助連携室課長補佐
堀内 正裕 国際協力局総合計画課
栗林 康孝 中東アフリカ局アフリカ第二課
B.TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)加盟団体:
(特活)アフリカ地域開発市民の会(CanDo)
(特活)アフリカ日本協議会
(特活)草の根援助運動
(特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会
財団法人ジョイセフ(家族計画国際協力財団)
DPI日本会議
(特活)TICAD市民社会フォーラム
(特活)難民を助ける会
(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)
(財)日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)
日本リザルツ
(特活)ハンガー・フリー・ワールド
(特活)ほっとけない世界のまずしさ
(特活)ワールド・ビジョン・ジャパン
C.オブザーバー国際機関:
江島 真也 国際協力銀行 開発第4部 部長
佐藤 悠一郎 国際協力銀行 開発第4部 第3班
山田 佳代 国連開発計画 東京事務所 プログラム・アシスタント
岡 智子 国連児童基金(ユニセフ)東京事務所 パートナーシップ構築
調整官
大井 佳子 国連児童基金(ユニセフ)東京事務所 コンサルタント
新野 智子 国連児童基金(ユニセフ)東京事務所 コンサルタント
小林 丈通 独立行政法人国際協力機構(JICA)アフリカ部
小坂 順一郎 国連口頭難民弁務官(UNHCR)駐日事務所
上席連絡調整官
D.オブザーバーNGO:
Some Sairbeterfa Malirice(特活)ハンガー・フリー・ワールド
Ouedraogo Joel Gueswide (特活)ハンガー・フリー・ワールド
E.オブザーバーメディア:
神田 明美 朝日新聞教育グループ 記者
玉川 透 朝日新聞外交・国際グループ 記者
竹内 謙介 NHK情報ネットワーク 「新BSディベート」ディレクター
F.司会:廣野 良吉 成蹊大学名誉教授
【プログラム】
開催挨拶 (計4分 (各2分))
(特活)TICAD市民社会フォーラム 黒河内 康 (2分)
外務省アフリカ審議官 木寺 昌人 (2分)
(1)ガボンでのTICAD閣僚会議について (15分)
外務省側から情報共有(プログラム・アジェンダ・参加者など) (5分)
質疑応答 (10分)
(2)市民社会のVOICES (54分)
市民社会VOICESの発表 (18分)
意見交換 (36分)
(3)TICAD IVへ向けた要望書の返答 (15分)
アフリカ審議官からの返答 (5分)
意見交換 (10分)
(4)TICADフォローアップメカニズムについて (15分)
アフリカ審議官からの情報共有 (5分)
意見交換 (10分)
(5)TICAD官民連携協議会開催についての意見交換 (10分)
(6)TICAD直前オルタナティブ会合(5月25日)への協力について (5分)
閉会挨拶 (計2分 (各1分))
外務省アフリカ審議官 木寺昌人 (1分)
(特活)TICAD市民社会フォーラム代表 黒河内 康 (1分)
【配布資料】
1.参加者リスト
2.式次第
3.VOICES- TICAD IVへ向けたアフリカ及び日本の市民社会の提言書(英文資料)
4.VOICES-論点まとめ(日文資料)
5.TICAD IVへの市民参加に関する要望書
6.TICAD IV直前オルタナティブ会合(企画案)
開催挨拶
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
これから第六回TICAD外務省・NGO定期協議会を開催したい。時間が限られているので、時間に厳粛に行いたい。
【黒河内康 TICAD市民社会フォーラム】
廣野先生とはTICAD Tの時から共に関わってきており、意見交換してきた。木寺アフリカ審議官、別所国際局局長にも来ていただき、今日の会議はすばらしいものになると思う。今日は、大臣との面談のため、1時間半に時間を短縮するという話があったが、外務省にご調整頂き、予定通り2時間のお時間を頂いた。本協議会はもとより来たるべきTICAD IVも成功に至るのではないか。本日のTNnetからの参加は約25名だが、TNnetは現在35団体と多くの団体が加盟しており、今まで知恵を寄せ集めて様々なペーパーを作成してきた。共催側との交渉との面で、御配慮頂ければ幸いである。皆様方には是非活発な意見交換をして頂ければと思う。
【木寺昌人 外務省アフリカ審議官】
今年の1月に、目賀田の後任でアフリカ審議官となった。TICAD IVに向けて、福田総理、森元総理、外務大臣、外務副大臣など、政治レベルの関心も高い。また、企業もアフリカに関心を持っている。関係省庁、独立行政法人等、TICAD IVに向けて努力しているし、NGOの皆様も研究者の皆様も非常にご熱心である。当のアフリカの国々もTICADWに大きな期待感を強めている。関係者の皆様がこのようにTICADWの成功を望んでおり、外務省としてやりがいのある仕事だと感じている。本日は第6回目の意見交換であるが、これまでに培われた信頼間係、連携感の上にさらに良いものを構築していきたいと考えている。
(1)ガボンでのTICAD閣僚会議について
【岡田誠司 外務省中東アフリカ局アフリカ第二課課長】
ガボンの閣僚会議について、お手元のスケジュールをご覧頂きたい。会合そのものは、3月20日・21日の2日間である。プログラムにあるように閣僚会議であり、TICAD本会議の際に議論されるであろう横浜宣言について、閣僚会議の中で了解を得て、横浜へ持っていくのが最大のイシューである。ザンビアとチュニジアでの地域準備会合同様に、今回の閣僚会議にもNGOの方々にもご参加頂き、セッションをしていただいたあと、2日目の会議で発表いただくことになっている。日本側が議長を務める。日本からは外務大臣、外務副大臣も参加し、議長を行う。現在、52カ国に参加招請をした中、40以上の国が参加を表明しているほか、閣僚級レベルで参加いただくのは25カ国程度の予定である。かなり期待感が高まっている。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
これについて審議応答を10分間行いたい。
【冨田沓子 TNnet運営委員/(特活)ハンガー・フリー・ワールド 】
昨年11月に開催されたチュニジアでのTICAD地域準備会合にも参加し、同じようなスケジュールのプログラムをいただいた。だが、プログラムには市民社会セッションの開催が表記されていない。是非NGOの活動をプログラムに正式に入れて頂きたい。前回、会場の地図の中にも、市民社会セッションの開催場所が書かれておらず、どこで開催されているのかが参加者の方に知ってもらうことができなかった。是非今回は、市民社会セッションの開催時間・場所をプログラムに載せていただきたい。
また、これから次のアジェンダで発表させていただく市民社会の「Voices 2008: Recommendations from African and Japanese Civil Society to TICAD IV」(以下Voices)を閣僚会議のインフォメーション・ペーパーとして配布をお願いし、参加者の方に回覧していただきたい。
【岡田誠司 外務省中東アフリカ局アフリカ第二課課長】
場所、時間などは明確に載せるようにする。回覧については、外務省からの配布資料とあわせて配りたいと思う。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム】
今回、TNnetからは、TICAD共済者費用負担で(特活)ハンガー・フリー・ワールドが、自費参加で(特活)アフリカ日本協議会、(特活)TICAD市民社会フォーラム、(特活)日本フォスター・プラン、日本リザルツからあわせて5名、計6名が閣僚会議へ参加する予定である。閣僚会議の前日の19日に、アフリカNGOを含めた市民社会が事前会合を行い、Voicesやアジェンダの議論・確認をした上で本番に臨みたいと考えているので、是非ご協力をお願いしたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
TNnetより、Voicesについて説明して欲しい。
(2)市民社会のVOICES
【冨田沓子 TNnet運営委員/(特活)ハンガー・フリー・ワールド】
Voicesが作成・更新された経緯、および、前文部分についてご説明したい。Voicesのドラフトがに作成されたのは、昨年9月にナイロビで行ったワークショップである。アフリカ13カ国から27団体、日本のNGOが9団体が参加し、ドラフトを作成した。外務省にもご参加いただいた昨年10月27日の国際シンポジウムにて、Voicesを初めて発表した。そのあと、ザンビア・チュニジアでの地域準備会合で集まった市民社会や、開催された市民社会セッションからのインプットをまとめた。その後、メールベースでアフリカの100以上の市民社会団体と密な連絡を取り、TNnet加盟団体が参加して作り上げたものである。
Voicesは、経済成長の加速化、平和と民主化の定着とMDGsの達成を含む人間の安全保障、そして環境保全と気候変動の3部門に分かれている。今日は部門別に発表させていただくが、大変相互関係の深い問題であるため、この3部門を含めた形で、アフリカが直面する問題を解決する必要があるという視点から提言をさせていただいている。
この提言の前提として指摘したいのは、第一にガバナンスの改善に取り組む必要があるということである。これはチュニジアの地域準備会合の中でも、アフリカ諸国から指摘された。もう一点が、市民社会を含む真のパートナーシップの上にこの提言が成り立つ、ということである。アフリカの人々の声を政策に反映し、TICADのコミットメントをアフリカの人々に届けるために、政策作成・政策実現のモニタリングのプロセスに市民社会が参加することが重要であると、この提言は言及している。
次に、各部門別にご説明したい。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)日本アフリカ協議会】
今度の閣僚会議では、3つの柱と4つの協力分野について討議されると聞いている。配付資料の最後にある日本語骨子を見ていただきたい。骨子は簡略にまとめているのでそのまま読み上げる。
「私たちは、アフリカの国々において、経済成長が、人びとの暮らしの改善、MDGs達成に寄与してほしいと強く願っています。前回の大統領選挙以降、経済成長が続いてきたケニアで昨年末の大統領選挙後に騒乱が起こり、格差を拡大する経済成長であればむしろ社会不安が高まり、人間の安全保障も損なわれることが明白になりました。したがって、開発と経済成長をめざす取り組みにあたり、次の点が強く求められています。
-汚職と闘うための共通した努力
-貧困問題の解決につながる能力開発
-経済的効果だけでなく社会的影響、生活上の必要に対応するインフラ整備
-人びとがスキルを身につけ新たな可能性に挑むことができるための支援
-性別による不平等など社会的なゆがみへの対応
TICADでは、アフリカにおける貧困と格差を一体のものとして解決していくための方針が提示されるべきです。特に就労人口が多く、飢えの問題解決にとってもきわめて重要な農業部門で、食料安全保障と貧困問題の解決につながる投資拡大が求められています。ただし、農業部門における投資は、農村コミュニティのエンパワメントにつながるものでなくては意味がありません。そこで、私たちは、貧困者向けのマイクロ・クレジットやPro-poorインフラ整備を求めます。また、このような貧困問題の解消につなげていくために、日本政府に対しては、ODAの増額とアンタイド化、そして無償資金の割合の増加を求めます。」以上です。
【谷村美能里 (特活)ワールド・ビジョン・ジャパン】
人間の安全保障についてご説明する。人間の安全保障についての国際的な議論を日本が牽引してきたという経緯があり、これが日本の援助の基本概念となっている。ご承知の通り、この概念がアフリカでは浸透していないという事実がある。その人間の安全保障について、アフリカと日本のNGOが共に考え提言をさせていただく。
人間の安全保障の確立には、基本的人権の保障だけでなく、人々の尊厳保護が必要である。人間の安全保障が、国家の安全保障の基盤である。しかしながらアフリカでは、人権の侵害、脅威や欠乏によって、多くの人々がその尊厳を守られておらず、人々の安全保障が確立されていないという現実がある。具体的に、貧困やジェンダーの不平等、収入格差の拡大、また人種・民族間対立の悪化などに起因して、様々なヒューマン・インセキュリティが発生している事実を私たちは見てきた。そのインセキュリティについては、骨子の中で列挙されているように、経済的、政治的、社会的、食糧、保健、教育、コミュニティなど多岐の分野に渡り、人々の生活を脅かしている。前文にあるように、これらの問題が全て相互に深く連携しているので、人間の安全保障の確立に当たっては、経済成長、環境、人間開発が密接に関連しているという視点に立ち、連携して取り組むことが必要である。TICADにおいては、全ての議論において、人間の安全保障確立のため、開発やその他の課題の中心に、人々の存在と尊厳が位置づけられるようにお願いしたい。
具体的には、権利ベースのアプローチを取り、コミュニティ主体の取り組みがなされることを求める。そうした取り組みによって、基本的人権と基礎社会サービスへのアクセスが全ての人に保障されるべきである。「全ての人の尊厳」と言う場合、ジェンダー格差、少数グループや社会的弱者への保護がなされることも求める。
具体的には、ドナー国、特に日本政府に対し、アフリカ・日本のNGOとして以下を提言させていただく。1点目。人間の安全保障確立に関わる取り組みにおいて、その全てのプロセスに市民社会の参画拡大をお願いしたい。また、アカウンタビリティを確立し、人々の安全保障に負となるような政策条件を廃止して頂きたい。市民との対話を重視する政府を援助するなど、市民との対話を奨励して頂きたい。具体的に、システムや法律の整備などを支援し、アフリカ諸国がマイノリティ・グループや弱い立場の人々を守ることが出来るような支援をお願いしたい。
続けてMDGsについて説明させていただく。アフリカにおいては、ドナー国、アフリカ政府、市民社会や全てのステークホルダーが努力しているものの、MDGsの達成は難しいと考えられている。阻害要因は種々考えられるが、最大の問題は、国内援助資金のギャップである。同時に、公的セクターの能力不足や効率性が欠けていること、残念ながら政治的意思が不十分であること、特にアフリカが抱える紛争や貧困などの要因が考えられる。
アフリカと日本の市民社会として、MDGsの達成とそれが目指す貧困削減のために、社会開発に注力すると共に、ジェンダーの平等が不可欠であるという見解を持っている。TICADが、この認識を持ってアフリカにおけるMDGs達成のために実質的に取り組むことを望む。ジェンダーの平等は、分野横断的なイシューとして取り扱われるが、同時に、個々の取り組みにおいてもジェンダーの視点を入れることが必要である。
全ての分野に共通することだが、支援を最も必用とする人々に届く援助にするために、透明性と説明責任の確保、およびグッド・ガバナンスが不可欠である。そこで、MDGs達成の取り組みに於いて、市民社会を対等なパートナーとして扱っていただきたい。
1月にダボスにおける世界経済フォーラムで福田首相が述べられたように、日本政府が優先課題としてあげている保健・教育・水について、提言を述べたい。コンサイスな内容だが、全会の定期協議会で、具体的な提言を期待されていたので、具体性を重視した結果である。
まずは保健についてだが、すでにアフリカ諸国、地域が持つ、既存の計画や戦略と整合性を持った保健政策の実施を支援するようお願いしたい。包括的取り組みと同時に、これまで日本政府が成果を出してきたHIV/AIDS、結核やマラリアなど、個別の感染症対策のさらなる充実を図っていただきたい。特に、貧困が深刻な地域での被害がより顕著であることから、貧困地域の支援を優先していただきたい。公共保健システムと同時に、地方コミュニティレベルでの保健の能力とシステムの強化を図って頂きたい。保健については、意見交換の際に、より具体的に話す予定である。
教育についても、昨年12月のEFAのハイレベル会議での河野外務審議官のお話にもあり、4月のFDI実務会議でも議論が予想されているように、重要な論点となるので、提言をさせていただく。全ての人への教育というMDGs目標を、資金のギャップが妨げており、資金繰りに関わる援助をお願いしたい。低所得国や紛争国など、アフリカで困難を抱えている国々に対する支援を優先するようお願いしたい。長期に渡り、援助資金の予測可能性を保障するためには、安定した資金供給とともに、経常経費支援を平常計に支援することを視野に入れるべきである。MDGs達成のためには、子ども大人の識字率の向上を図らなければならない。その点について考慮していただきたい。
続いて、水について。水と衛生の分野は、日本がリーディングドナーとなってきた。日本の貢献に対して、アフリカ諸国からの期待も大きい。まず、資金不足の解消、最貧国・貧しい人々を優先した水・衛生部門での支援を提言したい。水資源の保護と公平な分配を保証するため、水の統治に関する透明性と説明責任が向上するよう、アフリカ政府と市民社会の連携を支援していただきたい。水と衛生サービスにおいては、地方分権の課題がある。そこに対する支援もお願いしたい。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
平和と民主主義の定着について。前回のTICAD Vでは、AUやNEPADなどの地域機構が出来始めた頃で、私たちもどうなるのか分からない状態であった。国際社会や日本政府の後押しによって、多くのアフリカの紛争が終結に向かった。2005年の時点でかなりのアフリカの紛争が終結し、アフリカの平和と民主化が進むと期待されたが、残念ながら、この1、2年で急激に様々な地域で状況が悪化している。当時の紛争がまだ終わっていない現状や、紛争が終わったものの芳しくない状況がある。ケニアのような事例、ソマリアに於ける対テロ戦争の誕生、スーダンのダルフール戦争に見られる紛争の越境化など、日本政府としてアフリカ政府に向けた強いメッセージを送る正念場である。TICAD IIでも強く言われていたメッセージ、「紛争をやめない限り、援助が出来ない」というメッセージを出すべき時期に再びになっている。その中で、新しい現状として無視できないのが、近年の経済成長がこのような社会的亀裂や分断を深刻化させ、政情不安を引き起こしていること如実な現実である。援助の額をただ増やすということや、経済成長をただ支えるというだけでなく、誰のための何のための経済成長なのかを考え、Do No Harmのプリンシパルを思い出し、富が国民全体に行き渡るガバナンスの改善や、資源分配の平等化などに力を入れるべきである。
それに向けて、何点か要望したい。まず、経済成長一辺倒ではなく、ガバナンス改善や貧困削減、格差是正に配慮した成長のための支援を行うこと。この分野で出来ることはたくさんある。特に資源外交という言葉が最近になって言われるようになったが、配慮なしにただ資源を取りに行くというスタンスではいけないので、今後一緒に考えていきたいと考えている。2点目は、自衛隊の派遣についての議論がある。起こった紛争に対する対応は必要であるが、日本のこれまでの貢献は予防外交や紛争後の平和定着に力点を置いてきた。この分野で出来ることはまだあり、NGOや市民も協力できることがあるので、そちらに力を入れて頂きたい。3点目は、アフリカ地域機構が、アフリカの紛争に対応する仕組みを作ってきているものの、まだまだ能力が欠落しているため、キャパシティ・ビルディングを支える必要がある。それだけでなく、アフリカ諸国のリーダー達の意識に互いの協力という視点が不足し、それが紛争の越境化に関わっているので、その点に配慮した支援が必要である。また、ケニアの事例にもあるように、アフリカ諸国における2大政党制や、勝ったものが全てをコントロールするという選挙の仕組みを見直す必要がある。その分野に於いて、アフリカ諸国と方向性を共に考えられるようになればと思う。
【則武都子 (特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会】
環境保全と気候変動について提言したい。アフリカは農業人口が70パーセントを占め、漁業や林業で生活を支える人口がほとんどである。結果、気候変動によって直接的に深刻な影響を受けるのは、第一次産業に従事する貧困者層である。気候変動とそれによって起こる社会的・経済的に要因によって、アフリカの人々の生活が大きく変化している。例えば、農業では、洪水や干ばつなどの自然災害に加え、都市への人口集中により農業離れが広がっている。2月末に行われた早稲田大学の国際シンポジウムでも、シエラレオネの発表者などが、盛んに環境変化の現状を訴えていた。こうした状況を踏まえ、日本政府に以下のことをお願いしたい。
1点目は、農業、漁業、林業などの第一次産業発展のための環境保全と資金提供である。貧困層は第一次産業に従事している。環境を守ることによって、彼らの安定した生活手段を確保することが出来る。そのため、環境保全を第一項目としてお願いしたい。
2点目は、環境保全分野での、アフリカ人専門家養成のための技術的、資金的支援。環境保全は、アフリカの市民にとって新しい言葉であり、十分浸透していない。啓発もかねて、環境保全に対する知識や情報を提供すると共に、アフリカ人の専門家を養成する支援を行って欲しい。
3点目。バイオ燃料のための農業開発を一例とする経済発展中心主義の誤った農業開発は、貧困者の食料安全保障に真っ向から対立するものである。そこで、常に貧困者を中心にした支援の実施を求める。、従来の薪、原油などの燃料に代わって
、近年需要が増えているエタノール生産に使われるとうもろこしや大豆を原料とした「新バイオ燃料」が注目されている。これは、先進国の投資家たちが、アフリカを投資先として注目する理由であり、アフリカ諸国でもそれに同調する動きがある。これまで、アフリカの人々は主に穀物、米や芋、雑穀などを食べてきたが、外国から安価の輸入食料が入ってくるようになり食生活が西洋化されている。そのため、穀物の需要が減り、穀物生産から換金作物に切り替える農民が増えている。食料の安全保障という観点から、この現象は非常に危険である。食料を輸入に頼ると、外的要因である輸入食糧では価格や供給量などの影響を受けやすく、安定した食料供給を考えた場合、自分たちの食料を自分たちで作るという構造が必要である。そういった観点から、農業に適する環境保全が必要である。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
NGO側からそれぞれのイニチアチブをいくつか披露したい。
【稲場雅紀 (特活)アフリカ日本協議会】
別紙の参考資料をご覧いただきたい。TICAD IV共催者に対して、HIV/AIDS・結核・マラリア、子どもと妊産婦の健康改善、保健システム強化のための資金拡大を求めるアフリカと日本の市民社会の共同声明を配布させていただいた。今Voicesが紹介されたが、この共同声明は、Voicesを補強し、各分野での市民社会の声を届けることを目標とし、様々な分野の市民社会がVoicesと共に関連する声明文を出すことを通じて、更なるアフリカ市民社会の参加を目指した取り組みである。Voicesと深く関連があるものであることを確認しておきたい。
本声明は、主にHIV/AIDSの問題を中心に、アフリカの保健に関わるNGOが共同で作成した声明である。特に、アフリカ全土のHIV/AIDS関連NGOのネットワークである「アフリカ地域HIV/AIDSサービス組織協議会」、アフリカで、AUや各国政府に働きかけているアドボカシーNGOの連合体「アフリカHIV/AIDS市民社会連合」や、特に保健システム強化や人材の不足についてアフリカから声を上げることを目指した「アフリカ公衆衛生権利同盟」「今こそ10%キャンペーン」などがアフリカの保健問題に関する声明を作成した。
中身としては、特にHIV/AIDSに特化しているので、2006年のG8サンクトペテルブルグサミットで採択された国際目標である、2010年までのHIV/AIDS治療、予防、ケア、サポートへの普遍的アクセスの実現を、TICADで再確認すべきである、というものになっている。保健について、様々な方法で取り組まなければならないために、既に多くのイニシアチブが実施されている。それらに実際にどの様に取り組むのか、多くのドナー国や国際機関が一同に会するTICADでコミットして欲しい。さらに、外務省で既に取り組まれていることとは思うが、保健システムの強化、医療従事者の不足という問題において、リーダーシップを発揮して欲しい。
また、この声明の中では、1990年代から現在に至るまで、TICADが国際社会の中で果たしてきた役割を重要視をするということを明言している。特に、1998年に発表された「東京行動計画」がミレニアム開発目標の原型になっている。具体的数値目標とどうあるべきかを、国際機関と共同主催者と共に作り上げたという経緯がある。そのような事実を尊重しながら、今回のTICADでは、現在既にある目標を実現するために、1998年の行動計画を超える保健に関する大胆なアプローチを、アフリカと日本の市民社会が求めている。TICADを応援するという声明なので、是非受け止めていただきたい。
【五味俊也 日本リザルツ】
Voicesの「人間の安全保障」内の「MDGs」の中の保健分野について、「STOP結核Japanイニシアチブの履行を宣言する。」という文言を補足したい。既に理解されていることと思うが、HIV/AIDSと結核の二重感染は非常に深刻である。
赤十字の国際部によると、南アフリカのある村では、3世代、24人の家族構成の中で2人を残して全員がHIV/AIDSと結核の二重感染によって亡くなっており、これが一般的な状況であるという。それほどHIV/AIDSと結核の二重感染は広まっている。その様な事態の中、日本リザルツは日本のODAにおけるIDI関連分への拠出の推移比較票をまとめ、情報公開させていただいた。それによれば、インフラストラクチャーへの拠出が約80%、IDI(三大感染症対策イニシアチブ)についてはHIV/AIDSが7.7%、結核が1.05%、マラリアに対しては0.71%という結果になっており、全体の1%にも満たないのが現状である。援助額だけを判断することは出来ないが、IDIへの拠出の増額を質の問題と合わせてお願いしたい。この一項目だけでこのような長い補足があるとおり、Voicesは単に市民社会からだけではなく、多くの有識者、専門家、学者、研究者からの意見を吸収し、作り上げられたものである。稲場氏からの文書などもその様な資料である。その観点から、一つ一つの項目について取り組んで頂きたい。普段からの誠実な対応に感謝する。
【矢口真琴 財団法人ジョイセフ(家族計画国際協力財団)】
ジョイセフはIPPF国際家族開発連盟の東京連絡事務所もしており、先日2月25日から26日にエチオピアでIPPF中心にTICADプロセスに貢献したいということで、NGOで集まって会議を行った。そこには駒野欣一大使にも来て頂き、人間の安全保障について話をしていただいた。外務省の方々には渡しているが、成果として「Key Contributions, Recommendations from African Civil Society Organisation for Incorporation for TICAD IV Outcome」をまとめた。基本内容はVoicesと同じである。集まったNGOが、リプロダクティブヘルス推進のために活動しているNGOを中心としていたため、MDGs目標の4・5・6や保健システム強化の視点から、TICADの4つの協力分野に向けての提言となった。アフリカ市民社会の提言なので、基本的にアフリカ政府に向けたアフリカ開発についての提言であるが、日本政府からのサポートもいただきたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
TNnetより補足があればお願いしたい。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
既に、Voicesの中でも言及されているが、議論が不十分なため文章になっていない2点について話したい。1つは、本年2月に、農村開発や気候変動の分野で活動するアフリカのNGOが来日した際に話題となったことである。福田首相がダボスに行った際に、前国連事務総長コフィ・アナン氏が中心になった「緑の革命同盟」への積極的な支持を表明したことは、農業や食料安全保障への支援の観点から、非常に歓迎されることである。しかし、アフリカ日本協議会がFAOの情報からまとめた資料からは、アフリカは非常に多様な栄養体系によって成り立っていると言える。「緑の革命」がアジアで行われた際には、主に穀類についての灌漑、ハイブリッド種のような特定品種、肥料や農薬、それに見合った農業手法が揃う場所では有効であった。しかし、そのような条件に見合った場所への支援のみが、日本の支援ということになってしまうのでは、条件に当てはまらない国々からすれば放置されていることと同じである。高価な肥料が買えなかったり、気候編不動の影響で降雨の予想がつかないアフリカでは、一部にしか適用可能でない「緑の革命」は、不安定な要因を増大さかねないので注意が必要である。
もう1点が、バイオ燃料についてである。昨年10月の時点では、国連環境計画からバイオ燃料についての話は一切無かったのが、今年の2月の段階ではプレゼンテーションの3分の2を費やしていた。その背景には、昨年、アフリカで、バイオ燃料が関わった紛争があったことがあげられる。例えばウガンダで、熱帯雨林として保護された地域をバイオ燃料導入のために農地化されそうになった。その地域から利益を得ていた地元住民から反発があり、またその反発に対する不安から暴動に繋がった。またタンザニアでも、バイオ燃料の農地を開発するために立ち退きを強制された数千件の農家がいる。先進国の指導のもと、バイオ燃料がアフリカに導入されており、その輸出先は先進国である。特に、日本はその主な輸入国になるという予想が出ている。日本がそのような立場を広げてしまうと、今後への大きな問題になりかねないので、この問題について考慮いただきたい。
【福島睦子 DPI日本会議】
Voicesにも書かれていることであり、全てに関わることだが、「全ての人の安全保障」という部分で、障害者についての記述がある。保健、教育、インフラストラクチャーというような全ての分野において、障害者に対する配慮を入れて欲しい。特に2000年から2009年まではアフリカの障害者の10年である。昨年9月18日に日本が署名した、2006年に国連で採択されている障害者の権利条約を考慮してほしい。世界銀行がアフリカの開発に障害者への配慮は貧困削減に不可欠であるとも言われている。HIV/AIDSでは、キャンペーンなどがあっても、インフラストラクチャーの問題によって、障害者がそこにたどり着けず、結果的に社会から阻害されている、との現地からの報告がある。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
外務省の方からなにかあればお願いしたい。
【別所浩郎 外務省国際協力局局長】
このVoicesは非常に立派なものと考える。この文書を受け取ったのは本日なので、今英語版も、急いで目を通している。日本語についてはじっくりと説明いただいているものがあり、TICADに深く関わるもの者として個人的なコメントをしたい。まず、Voicesは単なる書面ではなく、この背後には、多くの方々の意見や議論の積み重ねがあるとのご説明をいただいたが、それをしっかりと受け止めたい。また、前回、具体的な提言をお願いしたことに、このように応えていただいたことをありがたく感じる。特に英語のほうでは、アフリカ政府や地域機構に対して、国際社会の中での日本と言うように、全てのステークホルダーに対して、それぞれに向けて提言をしていただいているので、アフリカの市民社会と日本の市民社会が共に作り上げたものであるということが感じられ、非常にありがたく感じる。こせっかくの機会なのでもう少し申し上げたい。
日本語骨子に沿って話させて頂く。まず、経済成長の加速化という箇所で指摘されている、経済成長がどのような成長なのか、その経済成長がどういう方々に利益をもたらすべきなのかという点が重要であるという論点に同意する。また、経済成長が無ければ、色々なところで協力しても結果は得られないというのも事実である。以前、知人に、特定の施策を行ったらどのような成果がでるかについて聞いてみたが、経済情勢によって同じ施策でも、経済が順調で比較的豊かな状況でそのような施策をするのと、そうでない地域で行うのとでは、結果が全く違うとの指摘をされた。やはり成長というものがまず無ければ、豊かな生活はもたらされないので、「元気なアフリカ」を基本的命題として今年のTICADでは掲げた。あえてこの時期に、ケニアを特定したことは英断であったと思う。政府の文章ではなかなか言えないこともあるが、ケニアがあのような事態に落ちいったことは、残念なことであり予想外であった。これは、やはりそもそもガバナンスが持続的成長に不可欠であるということの表れと考えられる。
具体的に成長の部分について、申し上げたいことがある。骨子の最後の部分で、「日本政府に対しては、ODAの増額とアンタイド化、そして無償資金の割合の増加を求めます。」という部分があるが、無償資金の増額と言う意味は分かる。ただ、政府の一員として言うならば、財政再建についてなどを話すことになるが、援助に携わる者として言えば、無償資金協力・技術協力の財源がまず無ければその割合を論ずることは出来ない。そのため、皆さんからの引き続きご支援をいただきたい。アフリカにおいては、円借款も使われているが、無償資金協力・技術協力が中心である。当然ながら、債務持続性のないところに円借款を行うことはあってはならないので、無償資金協力と技術協力が必要になるのである。そのため、日本の無償資金協力の多くはアフリカに流れているのも事実である。アフリカへのODAに対し、無償資金協力の割合は全体の4割に達しており、アジアで必要とされる援助もある中で、アフリカに対し大きな支援を行っているのが実際である。
経済成長に関連して、インフラについては、非常に大事な分野だと理解している。様々なレベルのインフラがある。農村と市場を結ぶためのインフラなどもある。話の時限が違うといわれるかも知れないが、急病人が出ても、救急車が走れる道が無ければそれを利用できないのである。そのため、ある一定のインフラは必要である。どうしてもTICADで議論したいと考えているのは、広域のインフラである。先に、紛争の越境化についての発言があったが、経済活動も国境を越えるものである。国境を越えなければ、経済は発展しないのである。そこでアフリカ全体とはいえなくても、サブリージョナルに、地域経済がつながっていくための支援を行いたいと考えている。この考えは、グレンイーグルズ・サミットの前に行った、アフリカ委員会を開催し、有識者を招いた議論の中で、インフラの重要性が1つの結論として挙げられたが、それを踏襲するものである。同委員会の議論を受けて、インフラストラクチャー・コンソーシアム・フォー・アフリカ(Infrastructure Consortium for Africa, ICA)が開催され、毎年、共同議長としてG8の国々も参加している。ちょうど今週の木曜日と金曜日に東京で行われる。こうした場でも、アフリカの国々の意見を聞きながら取り組んでいきたい。
人間の安全保障については、私たちと同じような視点を持っていただいていると理解している。私たちが政策を考える際に、一つの指針としてアフリカの国々に伝えているのが、コミュニティアプローチである。保健、教育、水などをそれぞれ見ても、コミュニティを中心としたアプローチが必要とされている。また、農村のコミュニティの発展が基本であり重要だが、それと共に、アーバン・プアーといった問題も、コミュニティベースで考えるべき課題である。これらの問題に対し、どのように取り組むかということを考えているところである。
1点教えていただきたいのだが、英語版のほうで「Differently Abled People」という記載があるが、その言葉を使っている趣旨を教えていただきたい。それが、「Disabled」が差別的な意味を持つからなのか、障害についても多様性があるという意味合いなのかと言う点について教えていただきたい。障害者の問題は、ルサカの会合に際しても、市民社会セッションの会場が2階で、足の不自由な参加者の方が大変不自由したということがあった。日本でも、バリアフリーがどこまで進んでいるのかという点で反省が必要であるが、その点の指摘について同感した。
また、日本語の骨子を読んで疑問に思い、英語版を読んで納得した点がある。ミレニアム開発目標の2・1の箇所について、日本語では、「援助の政策条件を廃止し…」という記載があって戸惑ったが、英語では「Not impose conditionality that harms people」という部分を読んで納得した。日本は、政策条件をつけるという方法ではないが、政策協議の場で合意された使い方をして欲しいということは伝えている。そこまでを否定しているのではないということは理解できたが、同時に「Conditionality that harms people」がどのようなものを念頭において述べられているのかお聞きしたい。
次に教育について。先程谷村さんからご指摘があったように、EFA・FEIが関連するとのことだったが、日本が今までの経験を使って取り組んできたものを通して何が出来るか考えた際に挙げられるのは、理数系教育の支援である。さらに、初等教育については全体的に見て、エンロールメント・レートは向上してきたが、ドロップアウト・レートが問題として続いている。また、卒業生がどのようにその「初等教育卒業」の肩書きを使っているのかという問題もある。先程出ていたアーバン・プアーの問題にも繋がるが、雇用の問題と、どのような職を手につけるかということも重要な視点となる。職業訓練もこれまで行ってきた取り組みであり、訓練のための場所の提供や、初等教育や理数科教員のキャパシティ・ビルディングと並んで、今後も重要な部分である。
平和の定着について。ここ数年の新たな問題といわれたが、そもそも根本的な問題なのではないかと考えられる。選挙の問題にしても、選挙監視団を派遣するとなっても、具体的なアイディアがあるわけではない。そうした部分で、アイディアがあれば教えていただきたい。紛争後の開発に至るまでの継続的な支援も、言い古されてはいるが重視していかなければならない問題である。
最後に、環境の部分における換金作物に関し、少々異論がある。もちろん、自分達の食料を自分達で作るということは基本で、バイオ燃料の問題については同感だが、ある村で作った作物をその地域で販売することは、伸ばしてよい部分であると考えている。日本の得意とする一村一品運動にしても、換金作物があってのことである。よって、換金作物の可能性について考えていただきたい。緑の革命、生物の多様性についての指摘はまさにその通りであると考える。しかしながら、日本の限られた資金をどの様に分担するかを考えるにあたり、やはり得意な分野が中心になることは理解していただきたい。各国それぞれ得意とする分野はあるし、日本の得意分野を広げることも重要だが、全てできるというわけではないことは理解していただきたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
NGOからコメントが無ければ、私から追加したいことがある。先週末に、立教大学で270名ほどを集めて、持続可能な開発のための教育の10年(ESD-J)の今後についての議論を持ったときに、Education for Allの話が出た。その考えは必要だが、その内容が重要である。日本政府が始めたESDについてもっと強調して頂きたい。また、最後に別所局長のおっしゃったことについて。早稲田会議でも議論になったことだが、NGOは換金作物がいけないと言っているのではない。ただ、良い農場を壊してしまうバイオ燃料に関わる農業についての問題を指摘しているのである。
【別所浩郎 外務省国際協力局局長】
その点について理解した。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
いくつか質問を頂いたので、それに返答したい。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)日本アフリカ協議会】
緑の革命について申し上げたかったのは、現状として、対策がネリカ米と緑の革命しかない状況で、それが使えない地域の人々はどうするのかという点が問題である、ということである。アフリカ諸国は、農業、林業、漁業で生活している。そこで多様性の尊重が重要となり、先程おっしゃった通り、コミュニティベースの支援を行っている社会的組織を支援することが必要である。一言で伝えようとすると、その対象に当てはまらない地域に関して、無視されているように見えるのである。その様な問題にならないよう、全員に伝わるような情報を発信していただきたい。
【別所浩郎 外務省国際協力局局長】
大変良く分かった。
【則武都子 (特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会】
先程、緑の革命という話があったが、アジアではその弊害が徐々に出てきている。ハイブリッド種を使用するため化学肥料が必要となり、それによって、土壌のバイオマスが激減している。短期間で増産できても、長期間の化学肥料の使用により、不毛の土地になっているという事実がある。FAOでも、有機農法が再び導入されていることも視野に入れ、日本政府にも有機農法の技術者の派遣などに力を入れていただきたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
大変重要な点であると思う。
【稲場雅紀 (特活)アフリカ日本協議会】
別所局長から、様々なお話を聞けたことに感謝する。保健の件について質問させていただきたい。日本政府でも保健に関する議論がなされていることと思う。NGOも活動している分野である。1点目。保健システムの強化と人材育成および補填について、特に保健従事者がその国に留まり働けるような環境づくりについて、TICADでどこまで踏み込んでいただけるのかをお聞きしたい。2点目。また、HIV/AIDSの問題は一貫して深刻である。一定の成果を挙がっているとはいえ、それをやめた場合にどのようになるかは明白である。さらに、リザルツの発表者が述べたとおり、南部アフリカでは、HIV/AIDSと結核の複合感染の問題が深刻になっており、それにどう対応するかが大きな課題となっている。そこで、いかにHIV/AIDSと結核を扱っていくのかが大きな問題になっている。日本は一貫して、青年海外協力隊派遣とコミュニティ支援を行っているが、コミュニティ支援の部分と、より大きなマクロの保健分野支援のどの様に統合していくのかを示す必要があるのではないか。この点について、TICADの横浜宣言と行動計画で、具体的なビジョンが出されれば、画期的なのではないか。今の時点でお答え頂ける部分についてお話しいただきたい。
【別所浩郎 外務省国際協力局局長】
問題意識については十分理解している。保健システムは、箱だけではなく人である。つまり人と人のネットワークである。ネットワークはコミュニティから出発し、まず人を育てるということが出発点である。おっしゃっていただいた問題は、アフリカだけではなく、他の地域でも同様の問題がある。例えば、看護師を育てると外に出てしまう率は多い。その挫折はありながらも、目減り率の問題と捉え受け入れてきた。問題は、システムを作るということは、働ける環境を作るということで、その地に働き甲斐があれば残る人も増える。また、踏み込み過ぎた話かも知れないが、地域や地方で役立つ技術を身につけてもらうということを幅広く出来ればと思う。例として、助産師さんなどは地域に根付いてもらえるはずである。それが国際的な看護師となれば、国の外に出て働いたほうが良いとなるだろう。看護師一人を育てるのには莫大な資金が必要である。その様な部分を含めて考えなければならないといいう問題意識はあるが、対策を持っているかと言われれば、そこまでは至っていないのが現状である。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
時間も無いので、質問をお願いしたい。
【谷村美能里 (特活)ワールド・ビジョン・ジャパン】
2点質問に対する返答をしたい。「人々の脅威となるコンディショナリティ」について質問があったが、それは「自由化」と「民営化」である。これらは、経済背長のある段階では非常に有益であるが、基本的な教育や保健などに焦点を当てている段階のアフリカでは、それらを取り入れてしまうと多くの人々に不利益となる。
【別所浩郎 外務省国際協力局局長】
構造調整時のような政策条件をしないようにということと理解した。
【谷村美能里 (特活)ワールド・ビジョン・ジャパン】
それに付随してお伝えしたいのは、人々に資する政策条件もあるはずであり、それはガバナンスであるということである。アフリカの国々の、ガバナンスへの努力を支援する政策条件を設定していただきたい。2点目は教育についてだが、日本の中等・高等教育への支援は多くの国から賛同を得ているが、アフリカではまだ多くの子どもたちが初期の教育を受けられていない現状がある。そこには、資本のギャップが関わっている。そのことへの対応をお願いしたい。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
質問にあった、「Differently Abled People」について。これは、私達がケニアのナイロビで、アフリカNGO70団体とミーティングを持った際、チュニジアの地域準備会合で階段の移動に苦労されたアレツクリ氏との対話の中で生まれた表現である。私たちの文書の中にあり、また外務省が明言している通り、人間の安全保障を考える際には、人間の尊厳の尊厳をどう理解するかが重要であり、その解釈について、アフリカ側と日本側で大きな議論があった。アレツクリ氏は、「Disabled」と言われること自体が尊厳に関わると主張された。ではどのように言えばいいのかという私たちの疑問に対し「Differently Abled People」であるとの回答を得た。他方、「Disabled」を、当事者という面を明確に打ち出すため、またそれを前面に出して戦うために敢えて使っている方々もいる。色々な解釈があるが、私たちのVoicesの中では、「Differently Abled People」を使うこととしたということである。
ここにおける最も重要な点は、最初の「経済成長の加速化」のところで、誰のためのものかを議論することが重要であるとの共通意識を持っていただいたと思うが、市民社会側で人間の安全保障を議論する際に重要なのは当事者である、という確認がされたことである。例えば、貧困削減のためには、貧困者の考えや直面する問題を知り、彼らをエンパワメントすることが重要である。トリクルダウン的な取り組みが全く必要ないというわけではないが、それが上手くいかないという現実があるので、貧困者をどうするのかという当事者意識をどうするかを考える上で、日本政府が訴えてきた人間の安全保障という概念を私たちも生かしていきたいので、宜しくお願いしたい。
(3)TICAD IVへ向けた市民参加に関する要望書について
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
3つ目の議題に移る。「TICAD IVに向けた要望書について アフリカ審議官からの返答」という部分について時間がないので10分間に短縮する。まず審議官からの返答をお願いしたい。
【木寺昌人 外務省アフリカ審議官】
TICAD IVへ向けた市民社会の参加に関する要望書ということで、全部で5つあるので1つずつ答えていく。まず、「市民社会と共催者、アフリカ諸国政府代表団、国際機関および各国からの代表団が一堂に会して意見を交換する場を持つことができるようプログラムを工夫していただくよう求めます。」というのが1つ目の要望である。これについては、1日目に当省が会場を手配し、TNnet主催でシンポジウムを行っていただくことになっている。そこで話し合われた内容については、2日目の午後に行われる全体会合に「市民社会との対話」という時間が設けられているので、その際に代表者の方に発表していただくことを想定している。
二番目は「TICAD Vでは、共催者の承諾を得て、30名の市民・NGO代表が、全体会合、分科会に参加しました。TICAD Wを市民社会にもっと開かれた会議とするために、市民社会の希望に添った参加を保証していただくよう求めます。」という要望である。これについては、アフリカ・国際NGOをそれぞれ10団体ほど招聘する予定である。日本の市民社会にも参加していただきたい。しかしながら、アクセスパスの発行数は、会場の広さなどの関係している。TICADは90の国に声をかけ、72の国際機関が参加する大きな会議である。各国首脳も40名を超える可能性もあり、それぞれに何枚ずつ出せるか分からないのが現状である。要望はもらっているが実現は難しい。
3つ目は「TICAD IVの3本の柱並びに4つの協力分野のいずれにおいても市民・NGOが重要な経験と知見を有していること、市民・NGOと政府・国際機関等の連携・協力が以前にもまして求められていることに鑑み、市民・NGOにさらに発言の機会を与えるよう求めます。」である。先ほど申し上げたとおり、市民社会との対話という議題の下では、NGOの代表の方に発表をしていただくと言うことである。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
代表と言うことだが、何名程度想定しているのか。
【木寺昌人 外務省アフリカ審議官】
時間との兼ね合いもあるが、セミナーを開くと言うのであればその代表と言うことになる。まだ、議論の形態も定まっていないようなので、ここで明確なお答えはしかねる。
4点目は「ザンビアで、11月にチュニジアで開かれたTICAD地域準備会合では、オブザーバーとして参加したNGOメンバーの中から選ばれたゲスト・スピーカーが、分科会議長と並んで市民社会セッションの報告と提言を行いました。市民社会とのパートナーシップを明示する意味で、TICAD Wにおけるゲスト・スピーカーに他のスピーカーと同じ時間を与えるよう求めます。」である。これについては、先に申し上げた通り、多くの首脳が参加するため、最も効率的な議論をしていただく為の努力として、どこで誰が発言するかを把握しようとしている。最終的な参加数を踏まえ、市民社会の発表時間を決定したい。
5点目の「TICADをよりアフリカと日本の社会に開かれたものにし、賛同を獲得するため、本会議をインターネット中継することを求めます。」については、その方向で進んでいる。以上、ご要望についてお答えした。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
それについて質問などはあるか。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
要望書の起草者として、今のご回答ではっきりしたことがあるので3点質問したい。1つめは、プログラムについては今後も検討されると言うことなので、これまでも地域準備会合でも事務レベルで私の所属する協議会などとも相談をしてきたという経緯から、今後も連絡を取りながら進めていただきたい。2003年のTICAD IIIと謳っているものの、2001年にTICAD IIIに向けた閣僚会合が始まった際に、市民社会との対話がプログラムとなった。これは、TICAD共催者としての一つの姿勢を示したこと言える。1993年にTICADが立ち上がった際には、市民社会は視野に入っていなかったが、1998年はオブザーバーとして参加しており、時代の変化を感じる。2001年には、更に積極的に市民社会をアフリカ開発における重要なパートナーであり、アフリカ開発の中で重要な役割を果たす存在として、共催者からの理解が見られた。市民社会セッションの開催に向けた、参加者の推薦を私たちとジョイセフで担ったこともある。今後は岡田氏と話をさせていただくことになると思うが、共催者の中で高まってきた意識を生かすようなプログラムを作成していただきたい。
先日、TNnet事務局で受け取った、岡田課長のお名前で頂いた文書に、期日を設定しNGO参加者のリストをアフリカNGO、日本NGO、国際NGOそれぞれに分けて提出するようにとの趣旨が書かれていた。今、木寺審議官からもお話があったように、今回のTICADは非常に大きな会議になることでもあり、運営上の苦労は良く分かっている。しかし、せっかくこれまで築いてきた市民社会が入っていく仕組みを共催者として作ってきた課程があるにも関わらず、それを生かせていない。その期日も近く、来週末までに提出するようにとのことであったが、それに対応するのは難しい。私たちは、月内に会合を持ち、今日の協議会の結果も踏まえ、多くのアフリカ諸国の首脳を迎えるにふさわしいものにしようと努力して行きたい。その努力を生かすためにも、もう少し時間をかけていただきたい。国際NGOなどは、相手の都合もあるので、出来るだけ早くしようという努力はこちらもしている。来週にはガボンの閣僚会議も行われるので、少し時間を置いて検討させていただきたい。
もう1点は、アクセスパスについてである。TICADは複合的な会議と聞いて言いるが、前日に行われる野口英世賞の授賞式に始まり、一連の流れの中で本会議も行われる。その際のアクセスパスはどの様に扱われるのか。授賞式は別に招待状が送られるのだろうが、他のパラレルセッションと、本会議のアクセスパスが重複するのであれば、参加者は非常に限られてしまう。その扱いがどの様になっているのか知りたい。アフリカからの参加者にとって、実行委員の方々や、各国の代表者、また各問題の専門家と意見交換をする機会は大きな意味を持っており、充実した会議にするために必要である。そのため、どの程度の人数がどこまで入れるのか、現段階で分かっている情報を教えていただきたい。入れる人数にしても、先の情報では10名と聞いているが、もう少し増やしていただきたい。以上のことを協議しながら、進めていただきたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
以上の要望について、外務省で真剣に考えていただきたい。
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
では、今の要望に対する現状をお伝えしたい。まず、参加者リストについてのご質問に対してお答えする。木寺審議官からの話にもあったように、今回のTICADは非常に大きな規模になる。諸外国からの参加者だけでも1500名を越える。会議をスムーズに運営するため、かなり早い段階で準備をする必要がある。そのため、各国へは2月の段階で参加者のリストを提出するようにお願いした。市民社会については、取りまとめに時間を要するであろうという理解もあり、期日を遅らせた。しかし、膨大な参加者への資料の取りまとめなど、非常に早い段階で準備を行わなければならない。細かい話で言えば、参加者リストを一週間前に提出いただいても、それは明らかに間に合わない。そのため、出来るだけ早い段階で提出頂きたい。
アクセスパスについては、各国首脳クラスで40名以上が出席することになっている。しかし、会場の大きさは限られているので、全体を収容するためには、パスを各国2名から3名に制限せざるを得ない。また、各国からの参加にしても、首脳以外に閣僚などが来る。多ければ50人100人の場合もあるが、多く来たからと言って多くアクセスパスを出せるわけではない。その状況の中で、NGOの方々にも参加いただきたいと考えている。その意味で、全く同じ条件で検討せざるを得ないことをご理解いただきたい。参加できない人には、会議の透明性を確保するためにも、別途会場の中に会談ルームのような、モニタリングルームを設ける。そこでスクリーンを通し同時中継を行い、モニタリングしていただく事となるので、議論は聞いていただくことが可能である。
アクセスパスについて。NGOセッションが会場内で行われるが、今回は会場全体が、セキュア・ダイレクトとなり、一般には開放されていない。したがって、NGOの方にも、提出されたリストに基づきNGOセッションに参加する方全員分のパスを発給することになる。また、全体会合については別のパスを用意する。このパスがない限り、各国の代表団だとしても入場することが出来ないほど厳格なものである。分科会に関しては、若干数も増えることもあり別の方法を考えている。NGOの方々にしても、他国からの参加と同じ条件で検討しているということである。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
今いただいている期日では、対応が難しい。アフリカからの参加者については19日、日本からの参加者については24日ということだが、もう一週間ずつ伸ばしていただきたい。NGOセッションに関して、数とどの団体から何人ということがはっきり分かればありがたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
では、おっしゃったことに付いて外務省で考えていただくと言うことでこの議論は終了したい。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
期日が延びることが確実であればよい。
(4)TICADフォローアップメカニズムについて
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
それでは次の議題、TICADフォローアップメカニズムについて、岡田氏からお願いしたい。
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
先ほど申し上げた、リストを早く提出していただきたいという点についてこちらも検討するので、今後は事務レベルで薦めて行きたい。TICAD IIIの時点で、アフリカの首脳たちからは、TICADプロセスについてフォローアップができるメカニズムを構築すべきであるという期待が表明された。それを受け、TICAD III以降、TICAD IIIで発表された文書などのフォローアップする取り組みを行った。具体的には、1年間かけて報告書をまとめ、TICAD関連の閣僚会合が行われる場で発表するというものである。今回、NGOにも参加いただいたザンビアとチュニジアの地域準備会合で、また、在京のADC大使の意見としても、これまでのメカニズムは不十分であると言われている。よりきめ細かく、それぞれの施策がどの様に行われているのかをモニターできるシステムを構築することが必要である。具体的には様々な案があるが、一番大きな案としては、常設のTICADフォローアップ事務局を作り、常駐の担当者をおき、常駐の事務所を設置し、そこで全てのフォローアップを行うというものである。非常に意欲的な意見と言える。実際にどのような案が実行可能かということを議論している段階であり、今、この場での説明はまだ難しい。ガボンの会合でも議論される予定である。
全体の大きな枠組みだけ言えば、事務局は常設する予定である。常設の事務局に、専任の人と建物を充てることは現実的ではない。予算の問題や業務量の面から見ても、1年間それに取り組む人を確保することは現実的ではない。実際には、例えば、フォローアップ事務局を外務省内に設置する、または現在JICAとも協議中であるが、JICAの協力のもとに何らかの事務局を作る予定である。今回発表される行動計画について、それぞれがどの様に実施されているのかをモニタリングし、外からの照会があればそれに応えていくことになる。さらに、3つの業務を考えているが、その1つが報告書を取りまとめるということである。これに対する需要はある。TICADに関連するステークホルダーである国際機関や開発系の市民社会などにも入っていただき、報告書のとりまとめを行い、その成果を最終的にはTICAD閣僚会合で報告する。報告とモニタリングを、よりきめ細かく行う事務局を設置することを検討している。そのモニタリングについては、今後も検討していく。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
これまでのTICADのプロセス、これまでの市民社会がどのようにTICADとかかわってきたかを踏まえて、フォローアッププロセスについても考えていただきたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
市民社会とよく話し合って欲しいということでよいか。
【斉藤龍一郎 TNnet運営委員/(特活)アフリカ日本協議会】
その通りである。
(5)TICAD官民連携協議会開催についての意見交換
【司会、廣野 良吉 成蹊大学名誉教授】
TICAD官民連携協議会開催について。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
前回の定期協議会で、アフリカ交流年の官民連携協議会は、主に企業と外務省が行っているということで、アフリカ交流年という意味を考えると、市民参加型の官民連携の会議もしようという合意が得られている。これを具体的にしたいと考えている。TNnetからの提案としては、TICAD前の最後の定期協議会である4月30日近辺に定期協議会を行い、その前半を、外務省と市民社会の意見交換とし、多くの方にオブザーバーとして参加していただく、後半はアフリカ交流年に相応しく、NGOだけでなく地方自治体や大学、企業、アフリカ外交団が参加したものにし、アフリカ交流年を盛り上げるための、日本とアフリカの交流が推進される具体的手立てを考え、横浜宣言やアクションプランに反映していただきたい。その点はどう考えるか。
もう1点。三田共用会議所を使わせていただき、外務省とTNnetの共催、また、さらに他の団体との共催で行える可能性はあるか。実現可能性を含めてお答えいただきたい。
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
私どもは、市民社会の皆様との定期協議会、また、成長の加速化と投資の促進という部分については、ビジネスの方々と協議会を行っている。仰るように、個別具体的な一種別の協議会を持つよりも、すべてのステークホルダーが一同に介するミーティングが行えれば非常に良いと思う。アイディアとしては素晴らしい。問題はできるかできないかである。業務量の問題があり、それを誰が運営するのか。そのすべてを外務省に任すといわれても、正直にお答えすれば不可能である。TICADに向けて、皆様も少ない人数の中でご尽力されていることと思うが、外務省も限られたリソースで日々奮闘している。その中で、1500名を越える大デリゲーションの会議を、ロジスティックやサブスタンスの面で取りまとめていくのは容易でないことは、皆さんにもご理解いただけると思う。今うかがった、大きな会議を行うことについて、具体的な内容は改めて伺う必要があるが、誠実にお答えさせていただくと、私の直感で言えば安請け合いすることは出来ない。
【舩田クラーセンさやか TNnet運営委員/(特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
場所の協力については可能か?
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
場所については、当然物理的に申請していただき、スケジュール次第で使っていただける。しかし、三田教養会議所は財務省の管轄になるので、そこに外務省がコミットすることはできない。
【舩田クラーセンさやか (特活)TICAD市民社会フォーラム副代表】
この件については、事務的な部分も含めてやり方を話し合うということでお願いしたい。
(6)TICAD直前オルタナティブ会合(5月25日)への協力について
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
TICAD直前オルタナティブ会合について。
【林絢子 (財)日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)】
会合の内容と、2つ外務省からご協力いただきたい点があるのでそこを話させていただきたい。会合の内容について。TICAD本会議直前の5月25日に、JICA横浜において、TNnet主催で、TICAD直前オルタナティブ会合を開催する予定である。TICADの本会議では、政府首脳が多く出席されるということで、キャパシティの面でもセキュリティの面でも市民の参加が難しいことは理解している。しかし、私たちとしては、先ほど紹介したVoicesの内容を市民社会に向けても発信したいと考え、対話をしていきたいと考える。このように市民が参加できる会合を企画している。またこの会合は、昨年10月27日に国連大学で行った国際シンポジウムのフォローアップ事業としても位置づけており、そのシンポジウムの際は、目賀田前アフリカ審議官にパネリストとして出席いただき、参加者から非常に好評であった。是非この直前オルタナティブ会合でも、外務省の後援をいただきたいということと、是非、木寺審議官にもご出席いただきたいという2点をお願いしたい。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
正確に発言いただきたいが、後援とはどういう意味か。
【林絢子 (財)日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)】
お名前をいただきたい。ご協力をいただきたいということである。
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
外務省の後援と木寺審議官の出席という点についてお答えする。まず、オルタナティブ会合についての詳細を承知していない。まずはその詳細をお教えいただきたい。他方、25日はTICAD 直前ということで、各国首脳が来日している。各国首脳はTICADに出席するだけでなく、二国間会談を行っている。40数名が二国間会談を持つということは、莫大な時間が必要となるということである。その際、首相をサポートするのが木寺審議官である。そのような物理的な制約があるということを念頭に置かなければいけないので、まずは会合のプログラムを見せていただいて、外務省として何が出来るかを考えたい。
閉会挨拶
【岡田誠司 外務省中東アフリア局アフリカ第二課課長】
木寺審議官からも発言があったが、TICADに向けては、市民社会の皆さんの声を反映したいと考えている。出来る限り、皆さんとパートナーとして進めて行きたい。しかし一方で、そこに制約もあるので、そこは正直に皆さんに伝え、出来ること出来ないことは皆さんと話しながら、これからも努力したいと思う。
【黒河内康 TICAD市民社会フォーラム】
本日は、重要なスタッフの方々にご出席いただき、今日の定期協議会でNGOがどのような気持ちと熱意を持ってどれほど打ち込んでいるかを理解いただけたと思う。単に、名前を売ろうというわけではない。宿題は宿題として取り組み、まとめたい。アフリカのためにと頑張っている人々の努力を汲み取っていただき、懇親会を充実させていただきたい。全体会議など、私たちも出来るだけ多く出席したいが、それが無理ということならば、個人的な見解だが、開催されるであろうレセプションに出席できるようなパスを用意いただき、NGOが希望している方と会う機会を作ったり、現地の方々と話せる機会を設けていただきたい。そうすれば、NGOはますます活発に取り組み、コレスポンディングな立場を高めることができる。
TICAD開催は大変な仕事であり、私が第1階のTICADで政府代表として関わったときよりも大変である。先ほど1500名という発言があったが、最初は約1000名であり、第3回の時も1300名である。そのため、NGOもお邪魔にならないように、且つ伝えられるだけのことは伝え、協力していければよい。我々は対立者ではなく協力者であるので、協力者としてのつながりを強めて行きたい。今日はお忙しい中ご参加頂きありがとうございました。
【司会 廣野良吉 成蹊大学名誉教授】
最後に私から提案したい。2002年のWSLDに参加した際、ひとつの方式として、NGOの方々と各国の代表者との接点を作った。すでに誰が参加するのかはわかっているので、NGOとの話し合いを持っていただきたいとWSLDに願いをし、その機会を持つことができた。例えば、NGOとアルゼンチンの代表者が話し合う機会や、モザンビークの代表者と話す機会を持つことができた。これは政府の外で行われており、NGOのイニシアチブである。ただし、相手の方の時間がなければならないので、事前に政府にお願いしなければならない。これが可能かどうかはわからないが、NGO自身がイニシアチブをとって、政府に依存せず会合を行うことも可能である。今日はパートナーシップという強い言葉を意識した。本当にパートナーとして、NGOと政府がTICAD IVの成功を実現することを期待している。今日はありがとうございました。