定期協議会 第1回

第一回TICAD外務省・NGO定期協議会 議事録

○日時:2007年5月30日(水曜日)(15:00-17:00)
○場所:早稲田大学19号館(早大西早稲田ビル) 710号室
○参加団体:
外務省 アフリカ二課、アフリカ審議官、国際協力局、民間援助連携室 
NGO 24団体
オブザーバー 国連機関 3機関
司会: 龍谷大学 法学部教授 川端 正久

【プログラム (司会:龍谷大学法学部教授 川端正久)】
(1)開催挨拶
逢沢一郎衆議院議員からのメッセージ
      外務省アフリカ審議官 目賀田周一郎
(2)TICAD持続可能な開発のためのエネルギーと環境閣僚会議報告会
      ■主催者が閣僚会議で目指したものと評価
        外務省アフリカ審議官 目賀田周一郎
      ■市民社会セッション報告
      (特活)TICAD市民社会フォーラム副代表 舩田クラーセンさやか
      (特活)TICAD市民社会フォーラム理事 吉田昌夫
      ■コメント
      ACT2003(TICAD Vのための市民行動)元世話人代表 小峯茂嗣
      ■質疑応答
(3)TICAD IVに向けた今後の動きの紹介と質疑応答
       (外務省)
(4)TICAD IVに向けた市民社会の動きの紹介
       (TICAD IV・NGOネットワーク-TNnet)
(5)意見交換

配布資料:
@ 本日の式次第(調整会議&定期協議会)
A TICAD「持続可能な開発のための環境とエネルギー」閣僚会議:概要と評価(外務省資料)
B TICAD「持続可能な開発のための環境とエネルギー」閣僚会議:議長総括(外務省資料)
C TICAD閣僚会議 市民社会セッション(パワーポイント資料)
D TNnet加盟団体一覧
E 定期協議会参加者一覧
F TNnet概要・趣意書・参加申し込みフォーム
G 2008年までのスケジュール
H 10月「市民版TICAD」シンポたたき台
I 「アフリカ市民委員会」紹介
J Africa Alert News (vol.8)


(1) 開催挨拶                                    
1. 逢沢一郎衆議院議員からのメッセージ

2. 目賀田審議官 開会挨拶
アフリカ審議官として、TICADWに向けた準備に取り組んでいく。
世界のグローバリゼーションが進む中、アフリカとの相互依存関係が高まっていくことは       間違いない。市場としてのアフリカ、これから重要になってくる資源、というような経済関係の発展の対象としてもアフリカは重要だと考えている。
G8の枠組みでアフリカがクローズアップされ、中国をはじめ、世界各国がアフリカに注目してきている。改めてTICADの役割が問われているため、今回は色々な意見をいただきたい。

(2) TICAD持続可能な開発のためのエネルギーと環境閣僚会議報告会                 
■目賀田審議官より環境閣僚会議の報告
TICADV以降、このようなテーマ別の閣僚級会合は5年に一度の首脳会合の間に1年度内に1回開くことが恒例となっている。
1年前には「平和の定着」その前には「貿易と投資」で閣僚会議を開催した。
今回は、環境の問題、エネルギー問題が相互に関連して、それが貧困にもつながっているという悪循環、MDGsを達成する障害になっていること等を背景として、「持続可能な開発のための環境とエネルギー」というテーマで開催された。
閣僚会議の3つの議論ポイント:
@オーナーシップの構築
A地域協力の推進 
Bパートナーシップの深化(官民連携を含む)
今後の大きな方向性として、環境やエネルギーの問題への取り組みがMDGs達成の文脈で緊急性を有するとの問題意識が共有され、官民の協力や、気候変動の悪影響への適応の努力も同時に必要であるということが広く認識された。
来年のTICAD Wに向けても重要なテーマになるであろうと外務省で認識している。

■市民社会セッションからの報告
(舩田クラーセンさやか氏)
今回の閣僚会議での市民セッションへの依頼は、TNnetが発足する前に行われたものであったため、外務省より打診を受けたTCSF(TICAD市民社会フォーラム)がアフリカの2つのNGOと共に主催者として実施した。
市民社会が、市民社会セッションを主催したのは、それがサイドイベントであったとしても、TICADの歴史において初めてのことであり、また最終日に本会議場でその報告を壇上から出来たことは画期的なことであった。
市民社会セッションのタイトルには「貧困者志向の政策を目指して」というサブタイトルが含まれ、セッションの基盤を明確にした。また、日本とアフリカ市民社会の協働を明確にするため、アフリカNGO関係者と日本NGO関係者が共同で議事を進めた。
市民社会セッションでは、アフリカで環境分野で活躍する4団体と日本の1団体が報告し、国連環境計画(UNEP)のスタッフがコメントを行った上で、参加者で議論するという手法で実施した。議論のタイトルは、「気候変動と環境悪化の時代におけるアフリカ貧困者が直面するチャレンジを乗り越えるために」というものであった。
各団体の報告のパワーポイントについては、TCSFのウェブサイトに掲載済みなので、詳しくはそちらをご覧頂きたい。
多くの報告で、環境やエネルギーの問題が貧困者の生活に与えるネガティブな影響が明らかにされた後、貧困者に役立つ手が届く価格の再生可能な技術の数々が紹介された。

(吉田昌夫氏からの報告)
この市民社会セッションでの議論を経て、アフリカと日本の市民社会は、次のような結論に至った。なお、市民社会セッションの声明文は、本会議場で全参加者に披露され、そのエッセンスが議長サマリーに掲載された。声明文の問題提起としては、次の通り。
これまでTICADや他の開発プロセスから現地の人々の意見は排除されてきたこと
現在のODA(政府開発援助)は、気候変動による貧しい地域の被害を減らす取り組みには十分に充てられて来なかったこと
環境保護・保全を目的とした施策がこれまでのところ、エネルギー資源の欠乏や自然環境の悪化によって天然資源に依存して生活する人々の生命や生活に及ぼす悪影響に対応できていなかったこと
本閣僚会議では、下向きの(コミュニティの)オーナシップが柱に掲げられたが、市民社会はその議論がなされた分科会に参加できなかった。これは問題である。
以上の認識より、TICADプロセスへの市民参加を求めることが提言された。

■ACT2003(TICAD Vのための市民行動)元世話人代表 小峯茂嗣氏からのコメント
前回TICADの経験から、今までのプレゼンを聞いた上でのコメントをお話したい。
ACT2003の際は、準備会合が3回あり、NGOはオブザーバー参加が認められ、提言を発言する機会を得た。ただし発言権は無かった。今回の閣僚会議で行われた市民社会セッションは、分科会には参加できなかったという点では変わっていない。発言の場を与えてもらいたい。
TICAD開催までの定期協議会では、「TICADはどういう準備プロセスで進んでいくか」を教えていただきたい。
準備会合などがあるのであれば、それに参加したい、TICADで何を話すか、というのがやはり知りたい。
アフリカを支援したい、という大枠では同目的である外務省とNGOで、双方でコミュニケーションの仕方を築いていきたい。

■質疑応答                      
【司会:川端氏】
質問@ 閣僚会議のテーマとして環境とエネルギーを選択した外務省のイニシアティブがどこからでてきたのか?
質問A 国連環境計画が主催する一連の会議、「アフリカ環境大臣会合」などとTICADの環境、エネルギーの枠組みはリンクしているのか?またどのようにリンクしていくのか?

審議官
回答@環境とエネルギーアクセスの問題は、アフリカの開発の阻害要因(ボトルネック)になっているという現実があり、また環境は今年、来年と、世界的に共通の大きなテーマになっていくだろうという見通しがある。平和の構築という観点においても、環境、特に水、エネルギー資源をめぐる問題が紛争の原因ともなっているということから、平和安定の問題とも環境が結びついている。以上の問題意識から、テーマとして設定した。
回答A全体会合の場で「AMCEN(アフリカ環境大臣会議)」や「FEMA(アフリカエネルギー大臣フォーラム)」及び国連持続可能な開発委員会などの様々な機関や、地域的な取り組みの最新状況についてプレゼンの形でインプットしてもらって、議論した。最新状況の情報共有を統合的に行ったという点でクリアリングハウス的な意味があり、それぞれのこれからの会議に反映させていくことで相乗効果が期待出来る。

【TCSF】
MDGsは18あり、その中で日本は過去に貿易投資、平和の定着、環境とエネルギーの3つのテーマについての閣僚会議を開催しているが、MDGs達成に係る開発に直接触れたような会議はなかったのではないか。

審議官回答:貿易投資については、経済成長に結びつける意図があった。今までのテーマは、“開発”を軽視したわけではない。貧困やエイズ等に取り組む一方で、そこで撃ち合いがあったり、地雷があって、平和が実現しない状態においては社会開発もありえない、ということで平和の定着というテーマがあった。今までの閣僚会議は貧困などのMDGsの達成に向けた努力の一環と言える。

(3)    TICAD IVに向けた動きの紹介 (外務省)                                   
TICADWは、来年の5月28日〜30日に横浜で開催予定。
パシフィコ横浜という会議施設には近接してホテルもあるため、そこが会場になる予定。
アフリカサイドも関心を高めており、在京のアフリカ大使も提言を提出しているし、今後そのようなアフリカの意見をどういう形で吸い上げていくかということについてはよく考えていかなければならない。
近年、高い経済成長率の達成や平和の定着、民主化が進むなど政治、経済面で肯定的な動きがあることも踏まえ、躍動するアフリカ、というものをTICADのメッセージとできないかと考えている。
MDGsの達成という課題及び平和の構築の問題も引き続き重要であり、これらを含め「人間の安全保障を確立」もメッセージとして強調したい。
気候変動はアフリカにとっても重要。エネルギー供給の確保も大きな課題になっている。
今後、このような場をかりて、皆さんの意見を伺い、そのほかにも共催者と話し合いが必要であるし、国際機関、G8・OECD加盟国、アジア諸国、アフリカサイド(AU、NEPAD)等の意見も踏まえ準備を行っていきたい。

(4)TICAD IVに向けた市民社会の動きの紹介 (TICAD IV・NGOネットワーク-TNnet)                                                       
【TNnet事務局舩田より】
今年3月9日にTICADに関心を寄せるNGOが集まった際、統一な行動をとっていこうという意見が多数出され、緩やかなネットワークとして設立された。ゼロから始めるのではなく、ACT2003をはじめとする、これまでTICADの度に結成されてきた日本のNGO連合組織などの経験を踏まえて、さらに力を結集していきたいという願いのもと立ち上がった。
主として、3つの点で協働活動を行っている。
@ 定期協議会を月1回程度の頻度で開催し、外務省との意見交換の場をつくる
A 「(仮称)市民版TICAD」を10月27日(土)UNUで開催する方向でNGO内で話し合っている。これについてはUNDPでTICADのDirectorであるBouna Semou Diouf氏と話しをして、UNDPも是非協力したいと話していただいている
B 国連機関、外交団、JICAやJBIC、外務省と協力して、日本市民のアフリカ理解を高めていきたいと考えている。10月27日のシンポジウム(前述)に向けて10月17日〜27日の10日間をアフリカの週とし、TICAD本会議の際に横浜の方々と何かできないかと検討中

【審議官からの補足】
来年は「日本アフリカ交流年」と外務省で指定しており、コンサート、スポーツ行事、文化会、などのアイデアなどは出ており、皆の協力を得て、1年をかけてアフリカに対する市民の理解を高め、日本の対アフリカ政策の裾の根を広げていきたいと考えている。


(5)意見交換                                                        
【アフリカと神戸俊平友の会】
中国のエネルギー確保に関して環境保全に対する認識不足を感じるが、TICADにおいて中国をどのように見据えているか。また何か対策があるのか。

審議官回答:中国の貿易、投資、援助については、その手法そのものについてアフリカの開発という観点からいくつかの問題意識はある。中国が出てくるような会議での“開発”をとりあげるような機会、例えば国家主席が来日されたときの日中会談でも、安部総理から中国の援助の手法を懸念していることを率直に伝えている。中国に国際的に確立している開発に参加してもらうことがG8などでもコンセンサスで一致。TICADとの関係では、中国は第一回から参加している。従来、外務省の局長代理の方が会議に出られていたが、日中首脳会議では、日中でのアフリカに関する意見交換を実施しようということが合意されている。率直にこちらの意見をいうという働きかけも考えている。また、TICADはTICADとしての役割、存在価値を主張していきたい。

【DPI日本会議(オブザーバー)】
人間の安全保障を確立したいという意見がでたが、アフリカでは未だ障害者が排除されているのが現状。JICAとJBICのネット会議では、意図的に障害者については触れていない傾向がある。色々なプログラムを行われる中で、結果的に障害者が参加できないものになっている。人間の安全保障の定着と確立ということに、もう少し障害者に関しても取り上げていただきたい。

【NPO 都市計画・再建関連OV(オブザーバー)】
今年のアフリカンフェスタでは、NGOのブースが40団体分準備されたが、参加申し込み団体が53団体と多かったため、不足分の費用を参加団体間で負担するという話になった。審議官がいうように、来年を日本とアフリカ交流の年とし、NGOの協力を依頼するのであれば、来年のアフリカンフェスタに向けて予算を増やしてブースを増設していただきたい。

【UNHCR(オブザーバー)】
先ほどの議論でもありましたように、平和の定着、人間の安全保障、環境問題などをテーマにしたプログラムを切り出しているが、これらが単に開発問題からかけ離れているのではなく、実質的な効果が、重層的に関わって、目に見える形でフォローできているプログラムであることをアピールしていってもらえば効果的ではないかと考えている。

【TCSF舩田クラーセン氏】
質問@TICAD IVに向けたスケジュール詳細を確認させてほしい。何月何日に共催者会合があり、地域会合はどこでいつあるのか。
質問A先日のアフリカシンポジウムでも「TICAD Wは今までとは異なる」ということを強調されておりましたが、何が今までのTICADと違うのか。
質問B市民社会とどのようなコラボレーションを考えておられるのか。
質問Cアフリカ開発の重要なテーマである貧困削減やMDGsと、今回披露された3本柱との関係はどうか。我々としては、3本の柱の中に入ってしまうようなテーマでないと考えるが。
質問DTICADの中身について市民とディスカッションする機会はあるか。

審議官
回答@準備会合は、10月から12月に2回ほど行う予定。共催者との会合は秋ごろの予定。
回答A「3回目をやったから4回」という認識ではなく、TICADは日本の対アフリカ外交のツールと思われてきたが、裾野を広げていきたい。共催者を含む他の国際機関やドナー諸国にも自分の問題として捉えて頂きたい。
回答B民間セクターにもTICADの場を活用していただき、総合的なアフリカ支援を盛り上げる場にしていきたい。
回答Cアフリカには未来がある、可能性がある、ということで“躍動するアフリカ”という方向に盛り立てようというのが基本的なメッセージ。そのために経済成長を進めて実質的な発展につなぐ良い機会、同時に人間の安全保障という視点から支援を強化する、環境についてはネガティブな要素をテコ入れするという理由から3本柱が決定された。全てが貧困削減と密接にからみあう問題であり、MDGs達成に向けた取組の重要性については十分に踏まえられている。
回答DAU、NEPADとの協議も必要であると考えている。中身についての議論も行っていきたい。具体的に何をするのか、ということが重要になってくる。

【Japan Results】
日本の市民に関心を持っていってもらうためにもNGOのネットワークを共催者に加えていただくことを検討していただきたい。

【TCSF】
TICAD Wの直前に、日本とアフリカのNGOで共同のジョイント提言を出すのがよいのではないだろうか。これとともに市民社会のためのセッションの場をTICAD Wのプログラムの中に作り、NGOからの意見が十分に示されるようにアジェンダを作っていただきたく、共催者の運営委員会で取り入れられるように配慮いただきたい。

【(財)ケア・インターナショナル ジャパン】
議論の核の一つとしてエンパワーメントをうたうというのはNGO側としてはとても嬉しい。それはまさに多くのNGOが重視してきた活動であるため、やっと政府とNGOが協力してできる場に至ったのではないか。また、アフリカのNGOも一般的に日本で想像されているよりも活発で、成長してきているので、TICAD IVに向けて、日本とアフリカのNGOとともに検討を進めていただければ良いと思う。

その他<今後の進め方>                                                 
TICADのテーマについて、是非議論させていただきたい。市民側でテーマについてプレゼンテーションをし、外務省にも検討していただき、市民と一緒に何ができるところはどこかということも確認していただきたい。また、外務省のTICAD IVの3本の柱や今後のスケジュールなどは、紙で持参してほしい。
次回の定期会議にはこちらの提案を持っていくので、中身と金額面に関して議論していきたい。


以上