TNnet活動総括


■2008年6月27日:TICAD政策評価文章〜TICADIVにおける日本の支援イニチアチブに関する評価と提言〜■

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5月28日から30日、横浜において、51カ国のアフリカ諸国、74の国際機関・地域機構の代表、34のパートナー諸国、民間セクター、市民社会、著名人の参加を得て、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が、@経済成長の加速化、A人間の安全保障の確立(ミレニアム開発目標[MDGs]達成、平和の定着とグッド・ガバナンス)」、B気候変動と環境をテーマに開催され、成果文書として、横浜宣言、横浜行動計画(同附表)、TICADフォローアップメカニズムが採択されました。

私たちTICAD IV NGOネットワーク(TNnet)は、アフリカの発展に貢献することを願い、TICAD IVの福田首相演説及び上述の成果文書を通して日本政府が発表した今後5年間の支援方針と個々のイニシアチブについて以下のような評価と提言を行います。

<要約>
1. 全体総括
 (1)  貧困削減と経済成長の統合的な指針を
 (2) 「人間の安全保障」概念の実現とMDGs達成のため包括的支援を
 (3)  市民社会の実質的な参加が不可欠
2. 経済成長加速化のための民間投資支援
 (1) 過去の円借款供与の総括を
 (2) 「人びとのためのインフラ」実現のため市民社会の参画を
3. アフリカ向け無償資金・技術協力倍増
 (1) アフリカ支援増額の方向性に一定の評価
 (2) 福田首相がさらなる債務免除に言及したことを歓迎
4. 農業・食料危機
 (1) 農業分野への支援の重点化を歓迎。多様な食料作物生産を
 (2) 緊急食料支援表明を一定評価、さらなるリーダーシップを
 (3) 緊急食料支援は乳幼児・妊産婦優先にし、より早く、柔軟に、安く届ける
 (4) 投機資金規制、食料生産と競合するバイオ燃料政策計画凍結を
5. ミレニアム開発目標(MDGs)
6. 平和の定着と民主化促進、グッド・ガバナンス
 (1) 民主化の定着は、平和の定着・貧困削減のためにも不可欠です
 (2) アフリカの人びと自身の手による予防・解決の促進と支援
 (3) APRM(アフリカ諸国間相互審査メカニズム)実効性促進と市民社会参加の確保
 (4) 公平な水と土地を含む資源管理の促進を
7. 気候変動と環境保全
 (1) 気候正義のため適応にこそ資金拠出を
 (2) 軽減の一義的責任を有する先進国・日本こそ責任を果たすべき
 (3) 650万人への安全な水供給を歓迎します。NGOとの協働を
8. フォローアップメカニズムへの市民社会の参画を




■2008年6月9日:声明〜TICAD IVに向けたTNnet活動総括〜■

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TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)は、先般開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に向けて、TICADのプロセスにおける市民社会の参加を実現・促進すべく2007年3月に発足し活動を続けてきました。TICAD IVが終わった現時点での、TICAD IVに向けたTNnetの活動を総括します。

■TNnetが目指したTICADのあるべき姿■
1. アフリカが真のオーナーとなるTICADへ
2. 市民参加のTICADへ
3. 人びとを向いたTICADへ


1) アフリカ市民社会を主役とした協働
アフリカ市民社会を中心に据えた政策提言は史上初のことでした

TNnetは、アフリカ開発の当事者であり主役であるアフリカの人びとの声に耳を傾け、その声をTICADプロセスに反映させるために、1年以上をかけて100以上のアフリカNGOとの対話・議論を重ね、『Voices 2008:Recommendations from African and Japanese Civil Society to TICAD IV』(アフリカ・日本市民社会からの提言)をまとめました。

アフリカがTICADの真のオーナーとなるべきと考えるTNnetは、日本で用意した提言にアフリカ市民社会がコメントするのではなく、まずはアフリカ市民社会が用意した提言を中心に据えて、時差や言語や距離を乗り越え、一緒に最終文書を作ってきました。なお、アフリカ側ではTICADプロセスへの関与を目的としたNGOネットワーク(アフリカ市民委員会)が結成されるなど、アフリカ市民社会側の取り組みも前進しました。このようなアフリカと日本のNGO協働の政策提言は、TICAD史上初のことであり、その意味でも非常に画期的な提言となりました。

また、日本で認知度の低いアフリカ市民社会を知ってもらうため、アフリカNGO関係者とともに、イベント参加・メディアへの説明・国会議員まわりなどを積極的に展開し、アフリカ開発におけるアフリカ市民社会の役割の重要性を訴えました。その結果、TICAD IVのために来日したアフリカNGOへのテレビ・新聞・ラジオの取材申し込みはひっきりなしとなり、その多くが実際の報道に結び付きました。



2) アフリカ・日本の市民社会の参画
過去3回のTICADと比較し、市民社会の参画は質量ともに飛躍的に増大しました

TNnetは、2007年5月以降、隔月で7回にわたり「TICAD外務省・NGO定期協議会」を開催し、上述『Voices』をもとに、具体的な政策要求を訴え、TICADプロセスにおける市民社会の重要性と正式参加を求めました。その成果として、10月27日にはTICAD IVプロセスの皮切りとなるイベント「市民が求めるアフリカ開発とは〜MDGs達成のためにTICADができること」をTICAD共催者の国連開発計画(UNDP)と共催した他、TICAD地域準備会合(於:ルサカ・チュニス)およびTICAD閣僚級準備会議(於:リーブルヴィル)で、市民社会セッションを主催し、市民社会の提言を全体会議場で発表しました。

そして、TICAD IV本番。TNnet加盟団体数も43に達し、TICAD IVに向けて、アフリカ/日本/国際NGO56団体87名がID登録しました。その後、会議開催の12日前に外務省の通達によって、「全NGOの本会議場へのアクセス・パスの発給数は、3のみ」という市民社会軽視とも思われる事態が発生いたしました。しかし、このことによって、メディアや国会議員、一般市民など幅広い層の人びとに市民社会の役割の重要性について考えてもらう契機となり、世論の後押しを受け、アフリカ・国際NGOが求めていた全員入手には至らなかったまでも、最終的に本会議場へのアクセス・パスの数は11に増える結果となりました。

これまでの活動の積み重ねを経て、参加形態はオブザーバーの立場に留まったものの、TICAD IVにおいては、1日目午後にTICAD史上初の公式プログラムとして市民社会セッションをTNnet自らが主催し、2日目午後にはTICAD共催者や国家元首が列席する全体会議場でギュスターブ・アサー(アフリカ市民委員会・議長)が市民社会を代表してスピーチを行いました。

約160名が参加し、ボノ(U2)やイボンヌ・チャカチャカといったアフリカ支援で重要な役割を果たす著名人が駆けつけた市民社会セッションは、ネット中継によって世界に同時発信された他、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の取材陣がつめかけました。また、市民社会代表のスピーチについては、貧困削減や食料安全保障への一層の努力の重要性、貧富の格差解消と市民社会の役割の重要性が訴えられ、高い評価を得ました。

TICAD IV会期中には、アフリカ・国際・日本市民社会の参加者が協力して6本の共同プレスリリースを発信するとともに、30日午後には都内で共同記者会見を行い、メディアを通じて市民社会の声の発信に努めました。



3) 市民社会の声は届いたか?
MDGsの重要性、無償援助倍増、「市民社会」など、一定の成果がありました

TICAD IVプロセスにおいて、市民社会が実質的に政策論議や決定に関与する余地は限られたものでした。しかし、上記のようにTNnetが積み重ねてきた提言活動は、一定の成果を獲得しました。

議題設定においては、昨秋のシンポジウムで、「MDGsの達成」を最優先課題化するよう要求、その結果、人間の安全保障の下に「MDGsの達成」が明記されました。TICAD IV初日、TNnetが一貫して要求してきた、対アフリカ向け無償援助増額が福田首相から表明されたことは、援助全体の総額、他国間援助への影響などが不明瞭であるものの、アフリカ支援の方向性としては歓迎されます。

また、TNnetは、3月の閣僚級会合で発表されたTICAD IVの成果文書草案(横浜宣言及び行動計画)で、MDGs・民主化重視の後退、市民社会の重要性の軽視が明らかになったことを受けて、洞爺湖サミットに向けて活動する2008年G8サミットNGOフォーラムとの協働を開始し、両文書に対する緊急提言などを行いました。行動計画に関しては、数値目標を盛り込んだ詳細な対案を作成し、提示しました。

TICAD IV成果文書では、後退したMDGs焦点化が改善するなど、上記の緊急提言内容が一部反映されました。一方で、民主化については、分科会では議論されていたにも関わらず、成果文書に明記されなかったことは遺憾です。行動計画の附表が作成され、主体とインディケーターが明示されたことは、具体的な数値目標を伴った行動計画を要請してきた市民社会の声が獲得したひとつの成果と言えるでしょう。また、直前まで記述のなかった「市民社会」の文字が横浜宣言や行動計画に盛り込まれました。福田首相の議長サマリーも市民社会の役割を認識した内容へと導いたといえます。この「市民社会」の記述が、単なる象徴的なものに終わらないよう、TNnetでは引き続き、フォローアップメカニズムを含むプロセスへの市民社会の参画を求めていきます。

※緊急提言やTICAD IV成果文書の政策面での評価(プレスリリース)は、別途(http://www.ticad-csf.net/TNnet/)をご参照ください。



4) 市民へのアピール
TICAD認知の向上、より広く、アフリカやアフリカ市民社会への関心喚起に貢献しました

結成以来、TNnetは幅広い層の日本の人びとのアフリカへの関心を喚起し、アフリカの人びとの声を届けるためのイベントやシンポジウムを数多く実施してきました。TICAD IVの2週間前に横浜で開催されたアフリカンフェスタ2008に向けては、TNnetからプログラム委員を選出し、プログラム形成や策定にも積極的に貢献しました。特に、TICAD IVのサイドイベントとして位置づけられていたにもかかわらず、TICADの説明やアフリカの現状の紹介がプログラムに欠けていたことを踏まえ、TNnetとしてレクチャーコーナーやリレートークなどを提案・企画・運営いたしました。これらの企画は、多くの市民の熱心な参加を獲得した他、フェスタで最も大きな面積を占めたNGOブースの魅力も相まって、過去最高の20万人近くの来場にも貢献いたしました。

TICAD IV開催地の横浜市との連携、横浜在住NGOの強力な地元発信力にも支えられ、TICAD IVの3日前に主催した『People’s TICAD〜みんなも参加できるアフリカ開発会議』では、かつてないほどの幅広い年齢層、多様なセクターからの300人を超える方の参加を得ました。3日間会議場内のみで開催されるTICAD IVを、少しでも市民に開き、アフリカへの関心の裾野を広げることができたとともに、市民社会を主役とする「新しいTICADのモデル」を示すことができました。

また、5月7日にTNnetが主催した市民版の官民協議会などでは、援助政策や援助事業にとどまらず、多様なセクターによる、様々な形式でのアフリカと日本の交流、人と人のつながりのあり方について、事例紹介をしつつ、将来のアフリカとの交流について考える機会をもちました。

最後に、TNnetが要望書等で要求してきたTICAD IVのネット中継が、開催直前に決定し、「開かれたTICAD」が一歩実現しました。



5) メディア
アフリカ報道に量・質の両方の面から貢献した他、市民社会の声の重要性が広く認識されました

TNnetによる継続的なメディアへの情報提供とアプローチにより、日本史上初めてといえるほど多くのアフリカ報道を実現しました。その結果として、TICAD IVそしてTICAD IV前後のアフリカ関連報道で、市民社会の声が重要なプレゼンスを確保しました。

特に、TICAD IV直前に浮上した「パス問題」が一因となり、本会議前に市民社会に対するメディアの注目を集め、「市民社会の声」を聞きたいという取材が殺到しました。これによって広く一般の日本の人々の関心を集め、市民社会、特にアフリカの市民社会の参画の重要性が日本社会、メディア、国会議員に浸透したといえます。(新聞などによりNGOが取り上げられた報道数は20を越えました。)メディアセンターでのブリーフィングが許可されなかったにもかかわらず、海外・日本メディアに市民社会の声がとりあげられたことは、上述のメディアの関心に加え、頻繁なリリースの配信や地道な働きかけの成果であったといえるでしょう。一方、各NGOが有する個別課題の専門性に期待して、メディアから知見を求められるケースはあまり見受けられませんでした。TICAD  IVを契機に高まった、メディアからのアフリカや開発課題への関心を一過性のものとせず、継続的な関係を強化し、さらに、掘り下げた視点を求められるよう深化させることが、次なるステージの課題として認識されています。



−この声明に関する問合せ−
TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)
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E-mail: tnnet_info[アットマーク]ticad-csf.net
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TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)は、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に向けて、2007年3月に発足したNGOネットワークです。アフリカ地域で活動を実施してきた日本のNGO・43団体が加盟しています。

あしなが育英会、アデオジャパン、(特活)アフリカ地域開発市民の会(CanDo)、アフリカと神戸俊平友の会、(特活)アフリカ日本協議会、アフリカ平和再建委員会(ARC)、アフリカ理解プロジェクト、(特活)アフリック・アフリカ、(特活)アワープラネット・ティービー、エイズ孤児支援NGO・PLAS、NGO DOJYO、NPO法人えひめグローバルネットワーク、(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)草の根援助運動、(財)ケア・インターナショナル ジャパン、財団法人 結核予防会、(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)、ザ・ダパードファンデーション、(特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会、財団法人 ジョイセフ (家族計画国際協力財団)、特定非営利法人スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS)、すぺーすアライズ、(特活)TICAD市民社会フォーラム、特定非営利活動法人 DPI日本会議、(特活)難民を助ける会(AAR JAPAN)、(特活)日本アフリカ親善協会 (JAFA)、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(財)日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)、日本リザルツ、農業・農村開発NGO協議会(JANARD)、バオバブの会、(特活)ハンガー・フリー・ワールド、(特活)ピース ウィンズ・ジャパン(PWJ)、特定非営利活動法人 ピースビルダーズ、FAN3-ファンサバ-、HOT AFRICA、(特活)ほっとけない 世界のまずしさ、緑のサヘル、NPO法人 未来構想戦略フォーラム、(特活)横浜NGO連絡会、World Clean Project、(特活)ワールド・ビジョン・ジャパン、わかちあいプロジェクト